鎌倉シネマワールド

鎌倉シネマワールドとは

鎌倉シネマワールドは、松竹が創業100周年を記念して1995年10月10日にオープンした、体験型の映画テーマパークでした。神奈川県鎌倉市大船にあった松竹大船撮影所内に位置し、「カルチャーテインメント」をコンセプトに、映画の楽しさを様々な角度から体験できる施設として話題を集めました。

しかし、オープン当初の賑わいもつかの間、入場者数は徐々に減少。わずか3年後の1998年12月16日に閉館という、短命に終わったテーマパークです。

３つのテーマゾーン

地上2階地下2階建て、延べ約28,000平方メートルの広大な敷地内には、「日本映画ゾーン」「アメリカンシネマゾーン」「フューチャーゾーン」という、趣の異なる3つのテーマゾーンが設けられていました。

日本映画ゾーン: 1階に位置し、『男はつらいよ』のセットの実物大レプリカやミニチュア、時代劇の街並みを再現した「時代街」、小津安二郎監督の映画撮影シーンのセットなどがありました。映画の歴史や仕組みを体験できるコーナーに加え、歩行型や3Dサウンドシステム採用のお化け屋敷などのアトラクション、松竹の役者による忍者ショーや殺陣ショーも人気を集めました。

アメリカンシネマゾーン: 2階は、古き良き時代のハリウッドを再現した「アメリカンシネマゾーン」でした。エントランスを抜けると最初にこのゾーンに入り、アメリカ直輸入のディズニーキャラクターショップや回転木馬が出迎えてくれました。SFXを体験できるアトラクション「シネマ・スタジオ」やライド型アトラクション「ファンタジックシネマライド」などもありました。

フューチャーゾーン: 3階は、未来宇宙世界をテーマとした「フューチャーゾーン」です。ライド型アトラクション「アドベンチャーフライト」や、宇宙人型ロボットによるショー「スペーススタジオ」などが人気を集めました。日本マクドナルドも未来宇宙をテーマにした店舗を出店していました。

キッズランド: 屋上階には、『トムとジェリー』などのアメリカンアニメのキャラクターを中心とした子供向けのプレイランド「キッズランド」がありました。1996年4月には、ビデオシアター「鎌倉サテライトシアター」もオープンし、邦画・洋画を上映していました。

短い歴史

松竹創立100周年記念事業として、総事業費150億円をかけて建設された鎌倉シネマワールドは、オープン当初こそ大きな話題を呼びましたが、2年目以降は入場者数が激減しました。

1998年2月期の決算では16億円もの赤字を計上し、経営状況は悪化。1998年12月15日をもって、惜しまれつつ閉館しました。

閉館後

『男はつらいよ』のオープンセットの一部は、東京都葛飾区柴又の『葛飾柴又寅さん記念館』に移設され、現在も展示されています。

2003年には、跡地を鎌倉女子大学が取得し、大船キャンパスとして利用されています。かつてシネマワールドの看板が残されていましたが、保存のため撤去されました。

鎌倉シネマワールドは、短命ではありましたが、映画ファンにとって忘れられないテーマパークとして、その名を刻んでいます。

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