鎌田吉三郎

鎌田 吉三郎

鎌田 吉三郎（かまた きちさぶろう）氏は、1937年（昭和12年）5月26日生まれの日本の俳優、声優です。特にローカルタレントとして、長年にわたり東海地方のメディアを中心に活動を展開しました。キャリアの大部分を中部日本放送（CBC）の放送劇団で過ごし、劇団解散後はフリーランスとして活動を続けています。日本俳優連合の組合員でもあります。

来歴

1958年（昭和33年）5月、鎌田氏は中部日本放送放送劇団の第4期生としてその門を叩きました。3ヶ月間に及ぶ研修期間を経て、正式に劇団員としての契約を結びます。同期には中江真司氏や大塚竜次氏らが名を連ねていました。さらに2年後の1960年（昭和35年）には、第5期生として滝雅也氏や増岡弘氏といった後進を迎え入れ、劇団の歴史を共に紡いでいくことになります。

劇団での長年の功績が認められ、1993年（平成5年）にはCBC小嶋賞を受賞しています。劇団CBCは、1997年（平成9年）5月26日、鎌田氏が満60歳の誕生日を迎えたその日に歴史に幕を下ろしました。中部日本放送の規定により、劇団員の中で当時最も若かった鎌田氏が定年退職したことが、劇団消滅の契機となったのです。この日をもって、鎌田氏は劇団を離れ、フリーランスとしての道を歩み始めました。

主な出演歴

俳優、声優として多岐にわたるジャンルで活動しました。中でも特筆すべきは、中部日本放送が制作・放送した長寿番組『天才クイズ』における「天才博士の声」役です。この番組は1967年から2004年まで37年間も放送され、鎌田氏の声は多くの東海地方の視聴者に親しまれました。また、テレビの分野では通販番組であるテレショップへの出演も多数あります。

ラジオ番組では、CBCラジオの番組に数多く登場しました。『空とぶスタジオ CBC若シャチ・レポート』や『おはようCBC』など、生放送番組を中心にその声を届け、リスナーとの間に親近感を育みました。

テレビドラマへの出演経験もあり、TBSテレビの『男と台所』や『あっちっちっち』、NHK総合の『ガラスの橋』、『黄色い涙』といった作品に出演しています。

さらに、ラジオドラマの世界でもその表現力を発揮しました。初期の出演としては、1959年（昭和34年）11月30日に放送された詩劇『空は死んでゆく』で小学校の教師役を演じ、1965年（昭和40年）3月30日放送の『待っている』では原田役を担当するなど、様々な役柄を演じ分けています。

商業広告、いわゆるCMにも数多く出演しており、地元企業を中心に親しみやすい語り口や声で商品の魅力を伝えました。有名なものとしては、コーミソース、コメ兵、青柳ういろうなどのCMナレーションや出演が挙げられます。これらの活動を通じて、鎌田吉三郎氏は長年にわたり東海地方のメディア文化を支え、地域の人々に愛される存在であり続けています。

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