鎌田政広

鎌田政広は、天文9年（1540年）に生まれ、文禄2年4月17日（1593年5月17日）に亡くなった、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。薩摩国（現在の鹿児島県）の島津氏に仕え、刑部左衛門尉と称しました。

父は鎌田政年、母は山田有親の娘で、妻は阿多久鎮の娘です。子には鎌田政常、鎌田政朝がいます。

天正の始め頃、主君である島津義久から志布志の地頭に任じられました。この頃から、武将として本格的に活動を始めたと考えられます。

天正9年（1581年）の水俣城攻めでは、旗本勢として出陣し、その武勇を示しました。天正12年（1584年）の沖田畷の戦いでは、前哨戦となる肥前竹崎城攻めで味方が勝利した際、軍配者として船上から勝ち鬨を上げ、士気を高めたと伝えられています。

また、鎌田政広は、島津義久の使者としても重要な役割を担いました。天正13年（1585年）には、豊臣秀吉と細川幽斎から島津義久宛てに書状が届いた際、その返書を幽斎へ届ける役目を務めました。翌年には、島津義久の使者として再び上洛し、豊臣秀吉と九州仕置きについて面談しています。これらの活動から、武勇だけでなく、外交にも長けた人物であったことがうかがえます。

文禄2年（1593年）、54歳でこの世を去りました。法名は勢兵本隆居士です。

参考文献には『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）が挙げられます。

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