鏡味国彦

鏡味国彦の概要

鏡味国彦（かがみ くにひこ）は、1938年に名古屋で生まれた日本の英文学及び比較文学者です。彼は立正大学名誉教授であり、文学博士の学位を有しています。専門的な研究は主に英文学に関連し、日本におけるその受容を探求してきました。

来歴

国内外の高等教育機関で学び、愛知県立昭和高等学校を卒業後、国際短期大学を経て立正大学に編入し、最終的に卒業しました。1964年には立正大学大学院英文科の修士課程を修了し、1968年に博士課程に進みました。その後、立正大学の助手、助教授、教授としてキャリアを積み、1987年には「ジェイムズ・ジョイスと日本の文壇 -昭和初期を中心として」という学位論文で文学博士の学位を取得しました。2003年には定年退任を迎え、名誉教授の地位に就いています。

主要著書

鏡味国彦の著作物には、彼の研究と見識が詰まっており、特に以下のものが評価されています。

• - 『ジェイムズ・ジョイスと日本の文壇 昭和初期を中心として』 （1983年）: 本書は、ジョイスと日本文学とのつながりを深く考察し、昭和初期の文人達との関わりを描いています。
• - 『現代イギリスの実験小説家たち』 （1986年）: コンラッドやジョイス、ウルフといった作家の手法や影響について探求しています。
• - 『十九世紀後半の英文学と近代日本』 （1987年）: 九十年の文学の流れを捉え、日本がどのようにして影響を受けたのかを分析しています。
• - 『ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティと明治期の詩人たち』 （1990年）: ロセッティ中心に、明治期の日本詩人との関連を示しています。
• - 『古城栗原元吉の足跡』 （1993年）: 漱石や敏、啄木などの日本文学の巨星と西洋作家との関連を考察しています。
• - 『英学の先駆者 平田禿木』 （2003年）: 日本における英学の発展への貢献を記述しています。

翻訳・共編

また、彼は翻訳者としても活躍し、以下の作品が評価されています。

• - スティーブン・クレーンの『冒険物語』 （1975年）や、ジョゼフ・コンラッドの『青春・無政府主義者』 （1976年）など、多くの英米文学の素晴らしい名作を日本語に紹介しました。さらに、『D・H・ロレンス名作集』の翻訳も行っています。

共編著としては、『英米文学への誘い』 （2008年）などがあり、これにより英米文学の普及にも貢献しています。

記念論集

1998年には、彼の還暦を祝う記念論集、『異文化への道標』が刊行されており、同僚や学生たちからの感謝の意が表されています。

評価

鏡味国彦は、英文学のみならず日本文学研究においても重要な位置を占める学者であり、彼の研究や著作は今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。彼の作品を通して、英米文学の深い理解と日本との関連性を知ることができます。

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