長七の和音

長七の和音とは

長七の和音（ちょうしちのわおん）は、音楽理論において四和音の一つとして位置づけられています。この和音は、基盤となる長三和音に、根音から長七度上の音を加えることで形成されます。ポピュラー音楽の文脈においては、英語で「メイジャー・セブンス・コード（Major seventh chord）」もしくは「デルタ・コード（Delta chord）」として知られています。

構成と構成音

長七の和音は、以下の4つの音から成り立っています:

1. 根音（R）
2. 長三度（M3°）
3. 完全五度（P5°）
4. 長七度（M7°）

これらの音を用いることで、和音の特有の響きを生み出します。また、和音記号では、根音をX、第3音をY、第5音をZ、第7音をWとして表現されることが一般的です。

周波数比と和音の特性

長七度は不協和音程とされる場合もありますが、純正率においてはシンプルな周波数比によって構成されるため、和音に特有のうなりは生じません。これは音楽的には一部の和音において非常に重要な特性とされています。

音楽における主な用途

この和音は、特にポピュラー音楽において、和声の中心的な役割を持つため、作曲や編曲においてしばしば利用されます。長調のハーモニーにおいて、その使用は突出しています。例としては、属七の和音やメイジャー・シックスス・コードとともに、長三和音の代用として広く用いられています。

機能和声の中での活用

長七の和音は、以下の役割でしばしば使われます:

• - 長調における I7（トニック）
• - 長調における IV7（サブドミナント）
• - 短調（自然的短音階）における III7（トニックの代理コード）
• - 短調（自然的短音階）における VI7（トニックの代理コード）

このように、和音は異なる音階やモードに柔軟に適用できます。特にアイオニアン・モードやリディアン・モードにおいても使用されますが、リディアン・モードでそのまま使用すると、長調やアイオニアン・モードの印象を与えるため、特性音としての増11度音をテンションとして加えられるケースが見られます。

転回と発展

tも長七の和音は主に基本形で用いられることが多く、根音が低音となりますが、その転回形についても創造的なアプローチが可能です。

付加音とテンション

長七の和音には、次のような追加音が加えられることがあります:

• - アイオニアン・スケールにおいて

- 9th（根音の長九度上）
- 13th（根音の長十三度上）
- 11th（根音の完全十一度上）は第3音と短9度を形成するため、通常は使われません。

• - リディアン・スケールにおいて

- 9th（根音の長九度上）
- #11th（根音の増十一度上）
- 13th（根音の長十三度上）
- この#11thはリディアン・スケールの特性音を反映しています。

注釈と関連項目

長七の和音は、長三和音やメイジャー・シックススと関連付けられることが多く、音楽理論の基本的な構成要素として注目されています。また、長調及び長音階に付随する特性音、和声やポピュラー和声の理解にも役立つ内容です。これを通じて、音楽をより深く楽しむための基盤となるスキルを育成することが可能です。

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