長久保公園都市緑化植物園

神奈川県藤沢市、東海道本線の藤沢駅と辻堂駅のほぼ中間地点の南側に位置する長久保公園都市緑化植物園は、市民が豊かな自然に触れ合う機会を提供し、緑化への関心を高めるための普及啓発拠点として整備されました。都市化が進む藤沢市において、人々と植物、そして自然が共生する空間を目指しています。

この公園は、1989年（平成元年）に開園しました。2008年（平成20年）4月1日からは指定管理者制度が導入され、現在は公益財団法人まちづくり協会が管理運営を担っています。

園内には、四季折々の植物や自然景観を楽しむための様々な施設が設けられています。

花のプロムナード: 公園のメインストリートとして、公園職員とボランティアの手によって丹精込めて管理される花壇が続きます。マリーゴールド、ブルーサルビア、パンジーなど、季節ごとに植え替えが行われ、訪れる人々の目を楽しませています。
生垣見本園（生垣迷路）: 多様な種類の生垣となる樹木が、遊び心のある迷路状に配されています。楽しみながら様々な生垣の種類を知ることができます。
展示即売所: 春と秋の年2回、植木や草花、園芸資材などの販売会が開催され、緑のある暮らしを始めるきっかけを提供しています。
ハーブ見本園: ラベンダーやセージ類をはじめ、およそ100種類のハーブが植えられています。香り豊かな空間で、様々なハーブの姿を観察できます。
バラ園: 園内の3か所に分かれて、約50品種130株ものバラが華やかに咲き誇ります。多様な色や形のバラが訪れる人々を魅了します。
渓流広場: 水辺の空間は、野鳥が水浴びをする姿を観察できるなど、自然の営みに触れることができる広場です。
芝生広場: 開放的な芝生の空間は、周囲の桜に囲まれ、ピクニックや散策の憩いの場として利用できます。
花菖蒲の池: 美しいハナショウブが植栽され、池の畔には休憩できる四阿（あずまや）も設置されています。見頃には多くの人が訪れます。
展望広場: 公園の南西に位置する小高い丘の上からは、湘南のシンボルである江ノ島を遠望できます。展望広場へ向かう園路沿いには、サツキやツツジなどが彩りを添えています。
フジ棚: 藤沢市の花でもあるフジが植えられており、例年4月下旬から5月中旬にかけて見頃を迎え、紫色の花が咲き誇ります。
樹木見本園: 様々な樹木が解説付きで植栽されており、植物に関する知識を深めることができます。

学習・啓発機能としては、以下の施設があります。

みどりの相談所: 緑化に関する専門的な相談に対応し、市民の緑化意識の向上や知識の普及を図っています。開館日には電話での相談も可能です。
展示温室: 珍しい植物などが展示されています。
みどりの図書室: 緑に関する書籍が豊富に揃っており、自由に閲覧できます。有料のコピーサービスも利用可能です。
研修室: 緑化に関する講習会などが開催されます。
展示ホール: 季節やテーマに合わせた展示会が催され、植物に関する多様な情報を発信しています。

来場者向けのサービスも充実しています。園内散策用の車椅子や雨傘・日傘の無料貸し出し、農薬の販売や購入者向けの噴霧器無料貸し出し（最長1週間）が行われています。また、安心して利用できるようAEDが常備されています。

入園は無料です。開園時間は午前8時30分から午後5時までとなっています。みどりの相談所は月曜日、祝日の翌日、および年末年始（12月28日～1月4日）が休館日ですが、公園自体は年末年始を除いて無休で開園しています。みどりの相談の受付時間は開館日の午前9時から正午、午後1時から午後4時30分までです。

交通アクセスは、小田急江ノ島線「本鵠沼駅」から徒歩約15分、または神奈川中央交通・江ノ電バス「長久保」バス停から徒歩約3分です。94台分の無料駐車場も完備されており、車での来園も便利です。

長久保公園都市緑化植物園は、市民が気軽に訪れ、自然に触れ合い、緑に関する学びを深めることができる、藤沢市にとって重要な緑の拠点となっています。

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