長勢甚遠

長勢 甚遠

長勢甚遠（ながせ じんえん、1943年10月3日生まれ）は、日本の政治家であり、自由民主党に所属する元衆議院議員です。彼は7期にわたる議員生活を送り、その間に法務大臣や内閣官房副長官など重要なポストを歴任しました。また、富山県魚津市の名誉市民としても知られています。

来歴

長勢は富山県魚津市石垣に生まれ、幼少期に父の転勤に伴い富山市へ移住しました。富山市立柳町小学校や富山県立富山高等学校を経て、東京大学法学部を卒業しました。在学中には国家公務員上級甲種試験にも合格しています。1966年に労働省（現在の厚生労働省）に入省し、1988年には退官しました。同じ時期に労働省に在籍していたのは、伊藤庄平元労働事務次官や太田芳枝初代女性局長などがいます。

1990年に行われた衆議院議員総選挙で自由民主党公認の候補者として初当選し、以後7期連続で当選を果たしました。彼の政治経歴には、村山改造内閣で厚生政務次官に任命されたことや、小渕内閣および第1次森内閣で労働総括政務次官に就任したことも含まれます。特に、2005年には第3次小泉改造内閣で内閣官房副長官として任命され、その後安倍内閣では法務大臣として初入閣を果たしました。

2012年には政界を引退する意向を表明し、翌年には秋の叙勲で旭日大綬章を受章しました。

政策・主張

長勢の法務大臣在任中、彼は336日の間で10名の死刑囚の死刑執行に関与しました。これは歴史的に見ても最多のケースとなりました。また、彼は第1次安倍内閣において共謀罪の導入を目指し、さらに少年犯罪の厳罰化を推進しました。加えて、彼は外国人労働者の待遇改善に取り組み、技能実習制度の改革を提案しています。これらの施策は、彼の政治的信条を反映したものであり、個人の権利や安全を重視する立場でした。

彼は法務大臣就任時に、経済や個人を重視する風潮の見直しが必要だと主張しました。個人の権利と国家の政策のバランスを重視し、自主憲法の制定を重んじる立場です。

人物

長勢は、安倍内閣の内閣官房長官時代において補佐役を務め、当時の政権構想や公約策定にも関与しました。社会保障政策、特に年金問題に精通し、医療制度改革や少子化対策の調整役も果たしました。彼はまた、北陸新幹線や確定拠出型年金制度の導入にも尽力しました。

不祥事

政治家としてのキャリアの中で、長勢は年金未納問題や収支報告書の虚偽記載などの不祥事にも直面しました。これらの問題は政治家の信頼性に影響を及ぼしましたが、彼はその後の活動に影響を及ぼしつつも、政治活動を続けました。

長勢甚遠は、富山県魚津市にゆかりのある人物として、地域の発展にも寄与したことから多くの人々に記憶されています。彼の政治的キャリアや信条は、今後の日本の政治に何らかの形で影響を及ぼす可能性があります。

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