長岡市立互尊文庫

長岡市立互尊文庫の概要と歴史

長岡市立互尊文庫（ながおかしりつごそんぶんこ）は新潟県長岡市に位置する公共図書館で、長岡市立図書館の一部として地域に貢献しています。元々は1915年に創設された「大正記念互尊文庫」を起源とし、地域の文化と知識の拠点として役割を果たしてきました。1987年に中央図書館が完成した後は、地域館としての機能が強化され、長岡市の教育と文化の向上に寄与しています。

歴史の中での重要な出来事

長岡市立互尊文庫は、1915年10月に野本恭八郎が大正天皇即位記念として設立を提案し、その図書館の建設費を寄付することを長岡市に求めたことに始まります。同年、地方の図書館が設立される背景には、既に1904年に日露戦争戦勝を記念する形で「戦勝記念長岡図書館」が存在していたことがあります。この図書館は、後に長岡市教育会によって運営を引き継がれ「長岡図書館」となります。

1918年4月には、野本恭八郎の提言が実現し「大正記念長岡市立互尊文庫」として開設され、当初の蔵書は30,708冊もありました。その後の1936年には、全国の市立図書館の中で閲覧者数が最も多く、蔵書数でも全国2位という輝かしい実績を残しました。しかし、1945年の長岡空襲により図書館は全焼し、大部分の資料が失われましたが、内藤伝吉氏からの寄付などを受け、再建が成し遂げられました。

建物の変遷と移転

長岡市坂之上町の建物は1967年に施工され、1987年からは地域館として利用されてきました。2020年にはDOCOMOMO JAPANによって日本のモダン・ムーブメントの建築としても認定されています。しかし、2023年2月28日には一時的に閉館し、同年7月には「米百俵プレイス ミライエ長岡」という新たな複合施設内に移転することが決まりました。この移転に伴い、蔵書の一部分は市内の小中学校に引き継がれ、旧建物は長岡戦災資料館として活用されることとなりました。

新たなスタート

長岡市立互尊文庫は、2023年7月22日に新たにオープンした「米百俵プレイス ミライエ長岡」の西館3階および5階に移転しました。2024年2月1日には図書の貸し出しも再開され、地域に根差した図書館として新たな役割を担っていくことになります。また、元の互尊文庫内の文書資料室は、長岡市長倉西町に新設された「歴史文書館」として移転オープンし、地域の歴史的資料の保管と活用が進められています。

このように、長岡市立互尊文庫は創設以来の歴史を持ちながらも、常に進化を続け、地域社会に対する重要な資源としての役割を果たしています。

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