長島一向一揆

長島一向一揆

概要

長島一向一揆とは、1570年頃から1574年にかけて、三重県桑名市の伊勢長島を中心に本願寺門徒が織田信長に対して蜂起した反乱です。この一揆は、石山合戦に連動し、織田家との三度の激しい合戦を引き起こしました。

背景

長島は元々「七島」と呼ばれ、尾張国と伊勢国の中間に位置する自然環境です。木曽川などにより隔絶されたこの地域では、1501年に設立された願証寺を中心に本願寺の信者が集まり、地域の国人層を取り込んで自治的な勢力を形成しました。
およそ10万人を超える信者が、長島周辺で反信長の拠点となりました。1550年代には、今川義元に呼応して信長を攻撃し、1560年代には信長の拡大政策に対抗していたものの、長島は信長の支配外となっていました。

蜂起の発端

1570年9月、本願寺の指導者たちの呼びかけに応じて、長島の門徒たちは蜂起しました。周辺の豪族たちもこれに呼応し、多数の武装村民が纏まり、長島城および小木江城を攻撃してこれを制圧しました。この時期、信長は近江で他の敵との戦闘中であり、即座の介入ができませんでした。

初期の激闘

1571年に信長は反攻に出ることを決定し、長島への進攻を開始しましたが、すでに特訓を重ねた門徒達は作戦行動を迅速に行い、織田軍を撃退しました。この戦闘では、防衛戦が巧みに仕掛けられ、一揆側の戦術が際立つ結果となりました。これ を受け信長は戦略を見直す必要が生じました。

2度目の攻撃と続く混乱

1573年には二度目の長島攻撃が行われましたが、この時も冷静に対応する一揆側に苦しむこととなりました。一揆側は戦力の整備をしっかりと施し、各城を防衛しました。その後、長島周辺のいくつかの城も陥落しましたが、根本的な問題は解決されずダラダラと続きました。

最終決戦

1574年に信長は3度目の攻撃を指示し、前回の反省を踏まえて、陸海から大動員をかけて集中攻撃を行いました。周辺の村が次々と陥落する中で、一揆側も多数の戦死者を出しました。最終的には、長島城への攻撃を受けた一揆側は多くの兵士を失い、降伏を余儀なくされました。

結果と影響

長島一向一揆の最終的な敗北は、本願寺門徒の自治体制を打破しました。信長は勝利したものの、その過程で多くの兄弟や一族の武将が戦死し、組織内の緊密な結束が試されました。また、この戦闘は後の戦国時代にも影響を与え、信長の地位を一層揺るがす要因ともなりました。

長島一向一揆は、信仰の力と地域の結束がどのようにして動乱の時代に影響を及ぼすかを示す一例として重要です。

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