長崎シティエフエム

株式会社長崎シティFMの沿革と閉局の経緯

株式会社長崎シティFMは、長崎県長崎市を中心にFM放送を行っていたコミュニティ放送局で、特定の地域を対象にした放送事業者です。この局は2005年12月11日に開局しましたが、これは長崎市民エフエム放送の開始からわずか3か月後のことであり、女神大橋が開通した日とも重なります。最初の本社兼演奏所は長崎市旭町のタワーシティ長崎タワーコートにありましたが、その後江戸町の竹馬ビルへ移転しました。

放送の状況と閉局

長崎シティFMは2013年の10月末以降、公式ウェブサイトの更新が途絶え、放送に関する情報を得ることが非常に難しくなりました。この期間が続いた後、2020年5月1日には総務省九州総合通信局のコミュニティ放送のリストから同局の名前が消えました。これにより、同局がこの時期に実質的に閉局したという見解が示されていますが、公式な発表やメディアによる報道は行われませんでした。さらに、同局の無線局免許状に関しても、2015年に再交付されて以降、新たな更新が行われず、2020年10月31日には免許が失効したことが確認されているのです。

破産手続きの開始

その後、2021年9月15日には長崎地方裁判所によって破産手続きの開始が決定され、公式に事業終了の道を辿ることになります。これは長崎シティFMの長い歴史に幕を下ろす決定的な出来事となりました。

放送エリアと信号発信

長崎市の中心部は、周囲を山に囲まれた特有の地形をしており、長崎シティFMの送信所はその「すり鉢」の中に位置しています。具体的には、長崎市内の風頭山に設置された送信所から信号が送信されました。しかし、送信所の位置が比較的低かったため、開局当初に発表された受信エリアは長崎市中心部の49,947世帯に限られました。また、これに加えて西彼杵郡の長与町や時津町の一部地域も放送区域となってはいましたが、長崎市の東長崎や三和地区などでは受信が難しく、リスナーの獲得には課題がありました。

編成と特色

放送体制は2013年の時点で24時間体制となっており、ほぼすべての時間帯において自社制作の番組が放送されていました。代表的な番組の一例には「らじお食堂813」があり、月曜日から木曜日の12:00から14:00に放送されていました。また、「ウィーパラ813」という番組は金曜日の14:00から16:00まで放送されていたり、木曜日には「アキトのとっておき時間」という番組も放送されていました。

終わりに

長崎シティFMは地域に密着した放送局として活動していましたが、様々な要因によって閉局への道を歩むことになりました。この局の歴史は、長崎市内のコミュニティにおける放送の重要性を示す一つの例と言えるでしょう。

もう一度検索