長崎女子高等学校

長崎女子高等学校は、長崎県長崎市上小島一丁目に校舎を構える私立の女子高等学校です。この学校は、学校法人鶴鳴学園によって運営されており、同じ学園の系列校として長崎女子短期大学があります。長い歴史を持ち、地域社会に根ざした教育を続けています。

沿革：伝統に培われた歩み

本校の歴史は、明治時代に遡ります。1896年（明治29年）10月、新潟から長崎に移り住んだ笠原田鶴子氏によって、長崎市出来大工町の長崎市街地に「長崎女子学院」として産声を上げました。その後、さらなる発展を目指し、1901年（明治34年）1月には長崎市伊良林へと移転し、その名を「私立鶴鳴女学校」と改めました。学校の発展に伴い、1912年（明治45年）4月には「鶴鳴実科高等女学校」となり、1920年（大正9年）5月には「鶴鳴高等女学校」へと昇格しました。そして、校舎のさらなる拡充と教育環境の整備のため、1921年（大正10年）2月に現在の所在地である長崎市上小島に移転しました。第二次世界大戦後の学制改革の波を受け、1948年（昭和23年）4月には新制高等学校として「鶴鳴女子高等学校」が誕生しました。運営体制も強化され、1951年（昭和26年）3月には学校法人鶴鳴学園が設立され、学校の運営主体となりました。そして、創立100周年を目前にした1997年（平成9年）4月には、現在の校名である「長崎女子高等学校」へと改称し、新たな時代への一歩を踏み出しました。2015年（平成27年）には、長崎県下の高校で初めて普通科に総合選択制を導入するなど、時代に合わせた教育改革を積極的に進めています。

校訓：教育の指針

1997年（平成9年）10月に制定された本校の校訓は、「創意・真心・共生」です。この三つの言葉は、生徒たちがこれからの社会を生き抜く上で大切にすべき精神を表しています。新しい価値を創造する力である「創意」、他者への深い思いやりと誠実さを示す「真心」、そして多様な人々や自然環境と共に生きることを目指す「共生」。これらの校訓のもと、心豊かで社会に貢献できる女性の育成を目指した教育が行われています。

設置課程：多様な進路に対応

長崎女子高等学校は全日制課程を設置しており、その中に普通科を置いています。普通科には、基礎学力をしっかりと身につけ、幅広い進路に対応できる「普通コース」と、難関大学への進学を目指し、より高度な学習に取り組む「特別進学コース」が設けられています。生徒一人ひとりの興味・関心や将来の目標に応じたコース選択が可能であり、それぞれの進路実現に向けたきめ細やかな指導が行われています。

生徒会活動・部活動：文武両道を目指して

本校では、生徒会活動が活発に行われているほか、様々な部活動が生徒たちの人間的な成長と体力向上、特技の伸長を支えています。中でも特筆すべきは、女子バスケットボール部の輝かしい実績です。全国レベルの舞台で数々の栄光を掴んでおり、1972年（昭和47年）には高校総体、春の選抜大会（現在のウィンターカップ）、太陽国体という主要な全国大会を制覇するという快挙を成し遂げました。その後も全国の強豪として名を馳せ、1978年（昭和53年）には第8回春の選抜で準優勝、1991年（平成3年）には19年ぶりに高校総体で2回目の優勝を果たしています。また、2000年（平成12年）の2000年とやま国体では準優勝、2003年（平成15年）の地元開催となった2003年長崎ゆめ総体では3位入賞を果たすなど、長年にわたり全国トップクラスの実力を維持し、学校の誇りとなっています。

交通アクセス

本校へのアクセスは、公共交通機関が便利です。長崎電気軌道（路面電車）を利用する場合、崇福寺電停で下車し、そこから徒歩でおよそ8分で到着します。また、路線バスを利用する場合は、長崎自動車（長崎バス）の「東小島」バス停で下車し、徒歩およそ5分です。どちらの交通手段も利用しやすく、多くの生徒が公共交通機関を利用して通学しています。

主な出身者：各界で活躍する卒業生

長崎女子高等学校は、これまで多くの有為な人材を社会に送り出してきました。特にスポーツ分野で活躍する卒業生が多く、バスケットボール界では大野慎子氏（JOMO）、大村早和氏（アイシンウィングス）、小磯典子氏（旧姓濱口氏、JOMO）、古海五月氏（共同石油）、永石春奈氏（JALラビッツ、シャンソンVマジック）、成井千夏氏（JOMO）、花田有衣氏（JOMO、広東サンレイケーブ）、林田明佳氏（シャンソンVマジック）、松山ゆかり氏（日鉱共石/ジャパンエナジー）などが挙げられます。また、バレーボール選手として古藤千鶴氏（PFUブルーキャッツ、久光製薬スプリングス）、バレーボール及び7人制ラグビー選手として藤崎朱里氏（日立佐和リヴァーレ、ラガール7）、バドミントン選手として松田友美氏（ヨネックス）といった方々が、本校で培った力を基にトップアスリートとして活躍されています。

このように、長崎女子高等学校は、長い歴史と伝統を持ちながらも常に時代の変化に対応し、教育内容の充実を図っています。校訓である「創意・真心・共生」のもと、生徒一人ひとりが可能性を最大限に伸ばし、社会に貢献できる女性へと成長できるよう、教職員一同、日々情熱を持って教育に取り組んでいます。特にバスケットボール部をはじめとする部活動の活躍は目覚ましく、多くの卒業生が様々な分野で活躍しており、地域社会からも厚い信頼を得ている学校です。

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