長嶋亜希子

長嶋 亜希子の生涯

長嶋亜希子（旧姓：西村）は、1943年1月5日に東京都渋谷区に生まれました。さらに両親の本籍地は鹿児島県にあり、亜希子の家族は文化的な背景を持っていました。彼女の祖父、西村辰五郎は著名な出版社・東雲堂書店を経営しており、石川啄木や北原白秋などの文学的作品を世に送り出したことで知られています。また、歌人としても活躍し、口語短歌の先駆者としても名を馳せました。父、西村光雄は内外出版社の代表として、また文学の普及にも貢献しました。

亜希子は田園調布雙葉中学校・高等学校を卒業後、米国に留学し、ミネソタ州の聖テレサ大学を卒業しました。この経験により、英語、フランス語、スペイン語に堪能となりました。彼女の語学力は1964年の東京オリンピックにおいて活かされ、コンパニオンとして外国人とのコミュニケーションを担当しました。

その際、読売ジャイアンツの三塁手である長嶋茂雄と運命的な出会いを果たし、短期間で婚約。彼らは1965年1月26日に渋谷区のカトリック渋谷教会にて結婚式を挙げました。式には多くの著名人が出席し、今でも記憶に残る豪華な披露宴となりました。亜希子は茂雄のモットー「男の職場に顔出すな」を守りつつ、2男・2女を育て、家庭を大切にしました。

亜希子は、2004年に茂雄が脳梗塞で倒れた際には、回復を支えるために献身的に寄り添い、夫のリハビリに協力しました。また、同年6月には長男に双子の娘が誕生し、祖母としての生活も開始しました。彼女は環境問題にも関心を寄せ、2002年には環境省の「環の国くらし会議」のメンバーに選ばれ、自らの視点から貴重な意見を発信しました。

メディアへの出演は控えめでしたが、息子の一茂が登場するフジテレビの番組で一瞬だけ顔を出し、手作りのパイを振る舞う温かい姿が印象に残りました。

しかしながら、彼女の人生は2007年9月17日に急変しました。長男一家と共に会食後、体調が急激に悪化し、入院することとなりました。家族が駆け付けるも意識が戻らず、翌18日に心不全でこの世を去りました。享年64歳という若さでした。亜希子の死後、オフィスエヌの代表取締役は二女の長島三奈が引き継いでいます。

彼女の死を悼む声が寄せられる中、息子の一茂によれば、亜希子の墓はアメリカ・ハワイにあるとのことです。また、彼女は1991年に「私のアメリカ 家庭料理」という著書を出版し、家庭料理やアメリカの生活についての思いを綴っています。長嶋亜希子は、その文化的背景と家庭の支えを通じて、多くの人々に影響を与えた存在でした。

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