長征2号

長征2号シリーズについて

長征2号は、中国の宇宙開発を支える重要なロケットシリーズです。1970年代から開発が始まり、現在までに178機以上が打ち上げられています。このシリーズは、中国の衛星打ち上げにおいて主力ロケットとしての役割を担っています。長征2号には、いくつかの派生型が存在し、それぞれが異なる特徴と目的を持っています。以下に各バージョンについて詳しく解説します。

長征2号A

長征2号Aは、長征2号シリーズの基礎となったモデルです。中国運載火箭技術研究院によって開発され、DF-5ロケットをベースに設計されました。1974年11月5日に初打ち上げが行われましたが、残念ながら失敗に終わりました。その後改良が加えられ、1975年にようやく打ち上げ成功を収めました。このモデルは、その後の長征2号シリーズの発展に大きな影響を与えました。

長征2号C

長征2号Cは、1982年9月9日に初めて打ち上げられたモデルです。推進剤には四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンを使用しており、これもDF-5をベースに開発されました。長征2号Cにはいくつかの派生型があり、その中でも2C/SD（2C/SMA）は、イリジウム衛星12機の打ち上げに利用されました。さらに改良された2C/SMも存在します。長征2号Cは、その信頼性の高さから、多くの衛星打ち上げミッションで活躍しています。

長征2号D

長征2号Dは、1992年8月9日に初打ち上げが行われたモデルです。推進剤は長征2号Cと同様に四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンを使用しています。主に地球観測衛星であるFSW-2やFSW-3、遥感衛星などの打ち上げに使われています。また、トルコの通信衛星TurkSat-3USatや偵察・地球観測衛星ギョクテュルク-2の打ち上げにも使用されました。長征2号Dは、他の長征2号シリーズとは異なり、長征4号シリーズの2段式モデルをベースに設計されている点が特徴です。

長征2号E

長征2号Eは、商用通信衛星打ち上げ市場への参入を目指して開発されたモデルです。上海宇宙局が開発を担当し、1990年7月16日に初打ち上げが行われました。1995年12月28日の7号機打ち上げをもって退役しました。合計7回の打ち上げが行われましたが、成功したのは4回、部分的失敗が2回、そして失敗が1回でした。商業的な成功を収めることはできませんでしたが、その技術は後のロケット開発に活かされました。

長征2号F

長征2号Fは、1992年に開発が開始され、1999年11月に初打ち上げが行われました。このモデルは、主に有人宇宙飛行に使用されるために設計され、長征2号シリーズの中で最も高い安全性を誇ります。初打ち上げは神舟1号のミッションでした。長征2号Fは、中国の有人宇宙開発における重要な役割を担い、宇宙ステーション計画においても活躍しています。

参考文献

“LM-2C USER'S MANUAL”. CALT (1999年). 2010年3月29日閲覧。
Rocket and Space Technology
Go Taikonauts! - Launch Vehicle

関連項目

長征 (ロケット)

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