長期欠席

長期欠席とは

長期欠席とは、学校に在籍している児童・生徒が、定められた期間を超えて学校を欠席する状態を指します。一般的に「長欠（ちょうけつ）」と略され、不登校の概念と深く関わっています。

より長期間にわたる欠席や、事前に予定されている欠席の場合は、「休学」や「長期休学」という扱いになることもあります。また、長期欠席していた児童・生徒が学校に再び通い始めることは、「再登校」「学校復帰」「復学」などと呼ばれます。

長期欠席の概要

学業への影響

小・中学校では、欠席日数が多いからといって直ちに留年となるわけではありません。しかし、高等学校や大学では、年間で一定以上の欠席があると留年となることが一般的です。これは、知識の習得だけでなく、授業への出席も重視する「履修主義」に基づいています。

欠席期間中は授業を受けられないため、自習などで学習の遅れを補う必要があります。十分な対策を講じないと、学業不振の原因となる可能性があります。また、中学校が発行する調査書にも、欠席日数が評価として記載されるため、進路にも影響を及ぼすことがあります。

欠席の理由

長期欠席の理由には、以下のようなものが考えられます。

病気や怪我
いじめや体罰などの学校側の問題
心理的な要因
経済的な理由
海外留学
監禁など、物理的に通学が妨げられるケース

近年、日本では、病気や経済的な理由以外の長期欠席が増加傾向にあります。

長期欠席の定義

文部科学省の統計では、年間で30日以上欠席した場合を「長期欠席」と定義しています。

病気・経済的理由以外の長期欠席：不登校

文部科学省は、病気や経済的な理由を除いた任意の長期欠席を「不登校児童生徒」と定義し、統計を取っています。文部科学省やメディアが「不登校」という言葉を使う場合、多くはこの「不登校児童生徒」を指します。

不登校の定義

文部科学省による公式な定義では、「不登校児童生徒」とは、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的な要因・背景により、登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあるため、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」とされています。

不登校の現状

2006年度の調査では、全国で約12万6千人の不登校児童生徒が存在し、小学生では約300人に1人、中学生では約35人に1人の割合となっています。

不登校の原因

文部科学省の調査では、「その他本人に関わる問題」が原因として最も多く挙げられていますが、これは学校側が面談などを通して判断した結果であるため、客観的な情報とは言えません。

不登校の原因は、いじめだけではありません。学業不振、友人関係のトラブル、家庭環境の問題など、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられます。

不登校に対する誤解

かつて、「不登校はいじめが原因」という考え方が広まりましたが、これは一面的な見方です。また、「不登校は病気である」という考え方もありますが、現在の定義では、身体的・精神的な病気によるものを除外して考えることが一般的です。

しかし、精神的な疾患の場合、判断基準が曖昧であるという指摘もあります。また、学校に行ける状態でも、登校時に腹痛やめまいなどの心身症的な症状が現れたり、保健室や図書室など特定の場所でしか過ごせないといったケースもあります。このような状態も、広義の不登校として捉えられることがあります。

用語の変遷

長期欠席の状態を表す言葉は、時代とともに変化してきました。初期には「学校嫌い」や「学校恐怖症」といった言葉が使われていましたが、問題の本質を捉えきれていないという認識から、「不登校」という言葉が用いられるようになりました。

また、かつては「登校拒否」という言葉もよく使われていましたが、実際には「拒否」というよりも「行けない」という状態であることが多いため、現在では「不登校」という言葉がより適切であると考えられています。

長期欠席の原因と対策

長期欠席の原因は、個々の児童・生徒によって大きく異なります。いじめ、学業不振、友人関係のトラブル、家庭環境の問題など、様々な要因が考えられます。

重要なのは、長期欠席の原因を特定し、それぞれの児童・生徒に合わせた支援を行うことです。学校、家庭、地域社会が連携し、児童・生徒が安心して学校に通える環境を整備することが求められます。

長期欠席からの復帰を支援するためには、学校だけでなく、スクールカウンセラーや医療機関などの専門家の協力も必要となる場合があります。

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