長江裕明

長江裕明（ながえ ひろあき）

概要

長江裕明は、1948年に三重県で生まれ、冒険家として世界的に知られました。彼は名古屋に育ち、青山学院大学で学びました。その後、外務省に入省するも、間もなく退職し、自らの夢を追い求め始めました。

経歴

1978年、彼はコンクリート製の外洋ヨットの建造に取り掛かりました。1981年7月には、愛知県の常滑港から親子三人と乗組員二人と共に出航し、約6万kmにわたる世界一周航海へ出発しました。この冒険は、25カ国の100港に寄港し、1986年4月に愛知県蒲郡港に帰港することで成功を収めました。
この航海によって、彼はイギリスやアメリカで名誉市民賞を受けるなど、国際的にその名が知られるようになりました。また、当時の皇太子チャールズ3世と直接会った経験もありました。

1988年には「ベスト・ファーザー イエローリボン賞」を受賞し、父としてもその姿勢が評価されました。さらに1989年から1992年までの間は、キャンピングカーを使ってカナダ、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカを訪れ、約19万kmを走行する冒険を続けました。

1995年には名古屋市に「キャプテンズダイナー / 地球冒険塾事務局」を設立し、地域への貢献を行いました。また、名古屋工業大学大学院では非常勤講師として教育にも携わり、メディアでもレポーターとして活躍しました。

健康の課題と新たな挑戦

2000年に心臓弁膜症を患いましたが、2002年には生体弁移植手術を受け、回復を果たしました。健康を取り戻した後の2005年には、新しいヨット「エリカ2号」を用いてミクロネシアを航海しました。

逝去

しかし、2009年2月6日、拡張型心筋症により60歳でその生涯を閉じました。彼の冒険心と情熱は、多くの人々に影響を与え続けています。

エリカ号

彼が建造した初代エリカ号は、全長13.41mのケッチ型ヨットで、コンクリート製の特異な船体を持っていました。進水は1980年で、航海後は竹島水族館に保管されていましたが、2011年に老朽化のため取り壊されました。年に一度、蒲郡市で開催される「エリカカップ ヨットレース」は、彼の世界一周航海を記念するイベントとして知られています。

出演テレビ番組と著書

長江裕明は、いくつかのテレビ番組にも出演しました。その中には「野遊大全」や「月下暇人」などがあります。また、彼の著書には『地球少女エリカ : 世界一周ヨットのたび』があり、これは彼の冒険を振り返る重要な作品です。彼の生涯を通じて示された冒険心や挑戦は、多くの人々に勇気を与え続けています。

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