長津村 (愛媛県)

長津村の歴史

長津村（ながつむら）は、かつて愛媛県東予地方の宇摩郡に位置していた村です。1954年3月31日に、土居村、小富士村、蕪崎村、天満村、関川村とともに合併し、町制を施行して土居町となったことで、その自治体としての歴史を閉じました。その後、土居町は平成の大合併を経て、四国中央市の一部となり、現在の姿に至っています。

長津村は、現在の四国中央市の西部に位置し、燧灘に面した地域にありました。大地川の下流左岸から河口にかけての一帯が村域であり、海に面した立地が特徴でした。

村名の由来

村名の由来については、残念ながら詳しい記録が残っておらず、現在のところは不明とされています。

江戸時代から町村制施行まで

江戸時代には、1645年（正保2年）に西条藩主一柳家の次男である一柳直照が分知され、旗本として津根村八日市に陣屋を置きました。その後、1704年（宝永元年）には幕府領となり、1706年（宝永3年）には野田村の一部幕府領を除いて西条藩領となりました。

1889年（明治22年）12月15日、町村制の施行に伴い、津根と野田の地域がそれぞれ宇摩郡津根村（つねむら）と野田村（のだむら）として発足しました。この二つの村が、後に長津村を形成する核となります。

長津村の成立と消滅

1940年（昭和15年）、津根村と野田村が合併し、長津村が誕生しました。しかし、その歴史は長くは続かず、1954年（昭和29年）3月31日に、周辺の6つの村が合併して土居町が成立したことで、長津村は自治体としての役割を終えました。

長津村の系譜

長津村の変遷は以下の通りです。

町村制施行以前：津根、野田
明治期：津根村、野田村
昭和の合併：1940年に津根村と野田村が合併し、長津村が発足。1954年に長津村、土居村、小富士村、天満村、蕪崎村、関川村が合併し土居町となる。
平成の合併：2004年に土居町が川之江市、伊予三島市、新宮村と新設合併し四国中央市となる。

地域と地名

合併当初、旧津根村と旧野田村の区域はそれぞれ大字「津根」と「野田」として土居町に引き継がれました。平成の合併後は、四国中央市となり、地名表記は「四国中央市土居町津根」、「四国中央市土居町野田」となりました。これにより、旧長津村の地域は、その名残を地名に留めることになりました。

交通

長津村の地域には、海岸線にほぼ沿って国道11号と国鉄予讃本線が東西に走っています。赤星駅は、長津村が土居町に合併した後、この地域に設置されました。

産業

長津村の主な産業は農業でした。特に米作が盛んであり、その他にサトイモなども栽培されていました。


長津村は、短い期間ではありましたが、その地域における歴史と文化を刻み、現在の四国中央市の一部として、その名を地名に留め、静かにその歴史を伝えています。

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