長浜大橋

愛媛のシンボル「赤橋」長浜大橋：歴史と魅力を探る

愛媛県大洲市の肱川河口に位置する長浜大橋は、その鮮やかな赤色から地元で「赤橋」の愛称で親しまれている道路橋です。2009年には経済産業省の「近代化産業遺産」に認定され、2014年には国の重要文化財に指定されるなど、その歴史的、文化的価値が高く評価されています。

特徴

長浜大橋の最大の特徴は、橋の中央部が跳ね上がるバスキュール式（跳ね上げ式）可動橋であることです。これは、橋の下を船が通航できるようにするための工夫で、現存する道路開閉橋としては日本最古のものです。開閉部の長さは18メートル、重さは82トンにもなります。

完成当初の塗装はネズミ色でしたが、現在は目を引く赤色に変更されています。毎週日曜日には、点検を兼ねて13時に橋が開閉されます。また、夏季（7月～9月）の夜間（19時～21時）にはイルミネーションが点灯され、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。

1977年には、河口寄りに国道378号の新長浜大橋が架けられましたが、現在でも長浜大橋は生活道路として、地元の車両や通学路として利用されています。

歴史

長浜大橋の建設は、肱川の水運で栄えた長浜の発展に大きく貢献しました。当時、長浜は木材や木蝋などの物資の積み替え・搬出の中継港として、また伊予灘に面した漁港として繁栄していました。しかし、街の中心地である東岸と集落のある西岸との間には渡し船しかなく、交通の便が課題となっていました。

そこで、当時の長浜町長であった西村兵太郎が、橋の建設を提案しました。舟運を妨げない可動橋の建設は、当時としては画期的なアイデアでしたが、理解を得るのが難しく、政治的な対立もあったようです。橋の完成から約1か月後、西村は急逝しました。

橋の概要

構造形式：バスキュール式可動橋
橋長：226m
幅員：5.5m
開閉部の長さ：18m
開閉部分の重量：82t
着工：1932年（昭和8年）10月
竣工：1935年（昭和10年）8月
設計・施工：増田淳、細野組（大阪）、安藤鐵工所、大阪鐵工所（現日立造船）
* 総工費：29万円

アクセス

長浜大橋へは、伊予長浜駅から徒歩でアクセスできます。周辺には、肱川の美しい景色を楽しめるスポットや、地元の特産品を扱うお店などがあります。

近年の話題

2006年11月5日には、日本テレビ系列の番組「ザ!鉄腕!DASH!!」で、ソーラーカー「だん吉」が日本一周の旅をする企画の中で、TOKIOの長瀬智也と城島茂がこの橋を訪れています。

長浜大橋は、その美しい景観と独特な構造、そして歴史的な背景から、多くの人々を魅了し続けています。愛媛県を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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