長渕剛 ALL NIGHT LIVE IN 桜島 04.8.21

長渕剛 ALL NIGHT LIVE IN 桜島 04.8.21：伝説のオールナイトコンサート

このアルバムは、2004年8月21日、鹿児島県桜島で繰り広げられた長渕剛の伝説的ライブ「桜島オールナイトコンサート」を完全収録した4枚組ライブアルバムです。

桜島オールナイトコンサート：奇跡の誕生

このコンサートは、単なるライブではありませんでした。長渕剛自身の葛藤と故郷への深い愛情、そして音楽に対する揺るぎない信念が凝縮された、奇跡のようなイベントだったのです。

構想：故郷への想いと音楽への探求

成功の裏で、長渕剛は喪失感に苛まれていました。「自分の歌は本当に届いているのか？」という疑問が、彼を故郷である鹿児島へと駆り立てます。桜島を眺め、故郷の風景を歩く中で、彼は音楽の原点、そして自分自身のアイデンティティを再確認していくのです。

30代後半からは肉体改造にも取り組み、桜島で自身の音楽の力を試すことを決意しました。その決意は、2002年横浜スタジアムでのライブで突如「みんな、俺の故郷・鹿児島に来てくれよ！」と宣言する形で現実のものとなりました。

開催地の選定：桜島の荒野に立つステージ

会場選定は容易ではありませんでした。長渕剛は、桜島溶岩グラウンドを拒否し、スタッフと共に桜島全域を探し回ります。最終的に、土石流が堆積した荒地を会場に選びました。交通の便や整地の困難さは後回し、ロケーションを最優先した大胆な決断でした。

準備：困難を乗り越える挑戦

国立公園内での開催許可、地元住民との協力、アクセス手段の確保など、数々の困難が待ち受けていました。フェリーでの移動、会場までの徒歩移動など、困難なアクセスを敢えて採用したのです。会場は13万平方メートルもの広大な荒地で、整地には1年以上を要しました。火山灰の地面、傾斜のある滑りやすい地盤など、通常の野外コンサートとは異なる様々な問題が発生しました。

長渕剛自身は、2ヶ月前から120曲を練習し、選曲、舞台構成、演出、音響、照明に至るまで総合プロデューサーとして関わりました。過酷な練習は、彼の体を何度も限界へと突きつけます。

協力：地元住民と企業の支援

地元住民、行政機関、企業など多くの人々の協力が不可欠でした。7万枚のチケットは発売開始からわずか30分で完売し、7万5千人の観客が集まりました。鹿児島県知事、桜島町長からの協力要請はもちろん、京セラ名誉会長の稲盛和夫氏も、長渕の熱意に共感し、特別協賛に名乗り出ます。

ライブ：7時間にも及ぶ熱狂

前座として、桜島火の島太鼓の演奏、そして夜9時半からの長渕剛のステージが始まりました。大型バイクでの登場、42曲に及ぶ熱唱、そして7時間にも及ぶ長尺のライブは、観客と一体となった圧巻の空間を作り出しました。

警備体制：万全の準備

7万5千人の観客動員、フェリーでの大量輸送、交通整理など、大規模イベントにふさわしい万全の警備体制が敷かれました。

経済効果：50億円規模の地域活性化

このコンサートは、地域の経済活性化にも大きく貢献しました。経済効果は約50億円と試算され、宿泊施設、飲食店、交通機関など、多くの関連産業が潤いました。

コンサート後：モニュメントの建設

コンサート後、桜島オールナイトコンサートを記念したモニュメント「叫びの肖像」が、ファンや企業からの寄付によって建立されました。

アルバムの内容

このアルバムは、桜島オールナイトコンサートの模様を余すことなく収録しています。4枚組CDには、全42曲が収録されています。DVDには2曲がカットされているため、このアルバムでしか聴けない貴重な音源も含まれています。ブックレットには、コンサートの写真や解説も収録されています。

まとめ

「長渕剛 ALL NIGHT LIVE IN 桜島 04.8.21」は、単なるライブアルバムではありません。音楽、故郷への愛、人間の底力、そして地域社会の結束といった、多くの要素が凝縮された、まさに「伝説」と言える作品です。長渕剛の魂の叫び、そして桜島という舞台が織りなす、奇跡のライブをぜひ体感してください。

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