長田野工業団地

長田野工業団地の概要

長田野工業団地（おさだのこうぎょうだんち）は、京都府福知山市の長田野町に位置する工業団地です。この工業団地は、福知山市の中心から東へ約4キロメートル離れた場所にあり、標高70メートルの長田野台地に広がっています。かつては陸軍の演習場として利用されており、現在も隣接地には陸上自衛隊の長田野演習場があります。

この地は以前は大部分が手付かずの広大な原野でしたが、1974年に京府知事の蜷川虎三が地域の産業振興を目的に工業団地の造成を提唱し、企業の誘致を始めました。総面積は約400ヘクタールと、関西内陸部でも最大級の規模を誇っています。1987年には舞鶴自動車道の福知山インターチェンジが近くに設置され、翌年には中国自動車道とも接続、京阪神地区との交通の便が大幅に向上しました。

環境への配慮

設立当初、公害が社会問題となっていた時期でもありました。そのため、長田野工業団地は公害を出さないクリーンな環境での工業活動を目指しました。排水や排煙の基準を厳しく定め、建ぺい率を50%以下に制限するほか、工場の周囲には公園や緑地を設けることが求められています。また、市と誘致企業との間で公害防止協定が結ばれており、各社間でも環境保全への協定が結ばれています。

現在、工業団地には39社もの企業が立地しており、2018年度の製造品出荷額は過去最高の2,921億6,776万7千円を記録しました。

主要な立地企業

この地域に進出している企業には、上場企業や非上場企業を含めると多岐にわたります。上場企業としては、日本通運の舞鶴支店や神戸製鋼所、エスペック、タツタ電線、扶桑化学工業などがあります。非上場企業では、浅田可鍛鋳鉄所や天藤製薬、クラシエフーズなどが名を連ねています。

企業の中には、数年前に工場が閉鎖した事例も見られ、三精輸送機や日立マクセル、阪和スチールサービスなどが撤退しています。また、2021年には京都銀行が支店を閉店しました。

アクセス

アクセス面では、舞鶴若狭自動車道の福知山ICに隣接し、国際貿易港である舞鶴港まで車で30分の距離にあります。ここからは、天津や青島、大連、釜山などへ定期コンテナ航路も運行されており、国際的な物流拠点としても重要な役割を果たしています。

このように長田野工業団地は、環境意識の高いクリーンな産業空間として発展しており、自動車道や港へのアクセスも利便性が高く、地域の産業振興に寄与しています。今後も新たな企業の誘致を通じて、更なる成長が期待される地域です。

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