長谷川与次

長谷川与次の生涯

長谷川与次（はせがわ よじ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将である。彼は織田氏の家臣であり、長谷川丹波守と同一人物であると考えられている。更に丹波守は嘉竹とも関連づけられている。与次の生まれは尾張国であり、彼が織田信長に仕官することとなる。

織田信長への仕官

与次の履歴は、永禄12年（1569年）8月、伊勢国の大河内城の戦いに名が見られるのが初出とされている。この戦いを皮切りに、彼は織田信長の信任を受けさまざまな戦闘に参加することになる。

翌元亀元年（1570年）、彼は野田・福島の戦いに参謀として参加し、続けて志賀の陣にも顔を出す。同年、元亀2年（1571年）5月には第一次長島侵攻において、佐久間信盛とともに中筋口から進軍。彼の軍事的手腕は次第に認められることとなる。

信忠の配下としての活躍

元亀2年の後、織田信長の嫡男、信忠が尾張と美濃の一部を領有するようになると、与次は信忠の軍団に組み込まれる。天正2年（1574年）7月の第三次長島侵攻においては、信忠の指揮下で戦った。

天正6年（1578年）の元旦には、信長が主催した茶会にも出席しており、与次は重臣たちと共にその席に招待された。また、同年1月4日には万見重元の邸宅にて名物茶器の披露会が開催され、与次もその場に名を連ねた。後の天正9年（1581年）には、信長が秀吉を招いた茶会において信長に同行する姿も見られる。

戦闘での決定的行動

天正10年（1582年）には、甲州征伐にも信忠に従い従軍した。3月16日に武田信豊の首を信長へ届け、その後4月3日には恵林寺の焼き討ちを指揮するという無情な指示を実行。ここでは、寺にいた者たちを老若男女問わず捕らえ、回廊での焼き討ちにより150名もの人々を生きたまま焼き殺すという悲惨な事件を起こす。

本能寺の変以降

同年6月2日の本能寺の変で信長が討たれると、与次は羽柴秀吉に接近する。彼は前田玄以と共に織田三法師（後の織田秀信）の傅役を務め、この時期から剃髪して長谷川嘉竹と名乗ることもあった。

豊臣政権下では越前国に所領を有していたようで、文禄4年（1595年）には越前西光寺に屋敷地を寄進。また、慶長3年（1598年）に秀吉が死去した際には彼の遺品として「しつかけ（尻懸）」を受け取るなど、豊臣政権における重要なポジションを維持していた。彼の生涯は波乱万丈であり、慶長5年（1600年）4月20日に惜しくもこの世を去ることとなった。

長谷川与次の生涯を振り返ると、彼はただの武将ではなく、歴史の重要な転換期に関与した人物であることがわかる。彼の行動や決断は、当時の日本の運命に大きな影響を与えたと言えるだろう。

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