長谷川重三郎

長谷川重三郎について

長谷川重三郎（はせがわ じゅうざぶろう）は、1908年11月5日に東京都で生まれ、1985年3月4日に亡くなった日本の著名な経営者です。彼は第一銀行の頭取及び全国銀行協会会長（第25代）を務め、業界内での影響力を有していました。実父は日本の実業家として名高い渋沢栄一であり、渋沢が他の女性との間に設けた子供として生まれたと言われています。また、名前の「重三郎」は、彼が渋沢の13人目の子供であることから付けられたという説も存在しています。

経歴の概要

長谷川は1932年に東京帝国大学経済学部を卒業後、第一銀行に入行しました。彼のキャリアは順調であり、1956年には取締役に就任。その後、常務、専務を経て、1962年に副頭取に就任しました。1966年には頭取に昇格し、大きな責任を担うことになります。

彼はその在任中に、第一銀行と三菱銀行との合併を計画しました。特に当時の三菱銀行の頭取田実渉とは、戦前からの友人関係にあり、彼に対して強い信頼を寄せていました。このため、合併の話は進展し、1968年12月には実際に合併契約書への調印にまで至りました。

しかし、状況は急変します。合併話が進行するなか、1969年1月1日に読売新聞がこの重要な合併をスクープしたことで、業界内には大きな反響が生まれました。合併に反対する意見が強まり、特に全国銀行協会の会長であった井上薫をはじめとする反対派の抵抗が激化し、1月13日に合併話は白紙撤回に至っています。

この一連の混乱の責任を取る形で、長谷川は同年4月に取締役相談役に退き、同時に全国銀行協会会長の職も辞任しました。彼のこの決断は、一時の業界における動向を大きく左右するものとなりました。

晩年と死去

1985年、長谷川重三郎は肝硬変により76歳で亡くなりました。その生涯は、日本の銀行業界における重要な時期に重なり、彼の功績は現在でも多くの人に意義深く評価されています。長谷川の経歴を見ると、彼が業界に与えた影響や経営理念がどれほど重要であったかが伺えます。彼の死は、当時の銀行業界にとって大きな損失となりました。

参考文献

• - 興信データ株式會社『人事興信録 第33版 下』興信データ、1985年。

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