長部 (パーリ)

長部（ディーガ・ニカーヤ）について

長部（Dīgha Nikāya、ディーガ・ニカーヤ）は、仏教の経典であるパーリ語経典の一部で、「五部」（Pañca Nikāya、パンチャ・ニカーヤ）の中でも最初に位置づけられています。長編の経典を集めたこの部分は、仏教教義の重要な情報源となっており、主に仏陀の教えやその実践に関する内容が記されています。「長部」は、漢訳仏典では『阿含経』の中の『長阿含経』にあたります。

構成

長部は全34経から成る構成がなされており、以下のような各篇に分かれています。

1. 戒蘊篇（Sīlakkhandha-vagga）

これは長部の最初の篇で、基本的な戒律や倫理についての教えを含んでいます。以下、主な経典をご紹介します。

• - 梵網経（Brahmajāla-sutta）: 抑えがたい欲望や誤解に対する警告を述べています。
• - 沙門果経（Sāmaññaphala-sutta）: 沙門としての生活の結果どのような果実を得られるかが論じられています。
• - 阿摩昼経（Ambaṭṭha-sutta）: 身分や出自に基づく偏見についての教訓が語られています。

2. 大篇（Mahā-vagga）

この篇は更に深い教義に踏み込んでおり、仏教信者に重要な示唆を与えています。

• - 大本経（Mahāpadāna-sutta）: 仏陀の出現とその背景について詳しく描写されています。
• - 大縁経（Mahānidāna-sutta）: ものごとの因果関係についての理解を深める内容となっており、貴重な教えが展開されています。
• - 大般涅槃経（Mahāparinibbāna-sutta）: これは仏陀の最期の時に関する話で、彼の教えの集大成が含まれています。

3. 波梨篇（Pāthika-vagga）

この篇では、日常生活における心得や原則が語られています。

• - 波梨経（Pāthika-sutta）: 自らを清め、浄化するための方法を詳述しており、現世における心の在り方を考えさせます。
• - 優曇婆邏経（Udumbarika-sutta）: 幸福と平安を追求するための教訓がまとめられています。
• - 転輪王経（Cakkavatti-sutta）: 理想的な国家の成り立ちや、正しい王のあり方を探求しています。

日本語訳のアクセス

長部の経典は日本語に翻訳されており、さまざまな書籍として手に取ることができます。例えば、南伝大蔵経や原始仏典といった著作があり、信者や研究者が仏陀の教えに身近に触れる機会を提供しています。

まとめ

長部（ディーガ・ニカーヤ）は、仏教における重要な教典の一部であり、仏教徒の道を照らす光となる数々の智慧を内包しています。それぞれの経典は、人生を豊かにし、精神的な成長に寄与する教えを提供しています。仏教の教えを深く理解するためには、これらの経典を読むことが非常に意義あることです。

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