長野グランドシネマズ

長野グランドシネマズは、長野県長野市権堂町に位置するシネマコンプレックスです。長野市初のシネコンとして、長電権堂第2ビル内に開設されました。かつて近隣で「長野東宝グランド劇場」を運営していた中谷商事株式会社が設立し、当初は東宝東日本興行に運営を委託していましたが、後に自主運営へと移行しました。

「街の映画館」というコンセプトを掲げ、地域に密着した運営を行っているのが特徴です。一時TOHOシネマズのマニュアルに沿って運営していた時期もありましたが、理念の違いから地元密着型の映画館を目指し、自主運営に切り替えました。これは、経営者が「映画館は街の中心部や繁華街にあるべき」という考えを持っていたためで、郊外型シネコンの提案を断り、前身の劇場から愛着のあるこの地を選んだという経緯があります。

通常、シネマコンプレックスは1フロアに複数のシアターを配置することが多いですが、長野グランドシネマズは中心市街地という立地のため、ロビーが1階、シアターが2階と4階に分かれるという珍しい構造になっています。建物は5階建てで、各階に映写室があります。

長野グランドシネマズの開館後、近隣の映画館が相次いで閉館しましたが、基本的には既存の映画館との共存を目指しており、ロビーには他の映画館のチラシが置かれていたり、上映作品が重複しないように配慮されています。特に東映作品は、長野千石劇場で公開されるため、原則として上映されません。

長野グランドシネマズの前身は、1950年に設立された吉田映画劇場です。その後、長野映画劇場や長野第二映画劇場を経て、1966年に長野グランド劇場が開場しました。1981年には東宝東日本興行に運営委託し、長野東宝グランド劇場に改称。2スクリーンに増設されました。2006年4月14日、長野東宝グランド劇場は閉館し、同年6月24日に長野グランドシネマズとして新たに開館しました。

2010年には3D上映設備を導入。2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時休業しましたが、その後営業を再開しました。

館内には8つのスクリーンがあり、総座席数は1,365席です。長野市内の映画館では唯一、3D上映に対応しています。長野電鉄長野線権堂駅から徒歩2分とアクセスも良好で、土日祝日には長野電鉄の割引切符「ながでんシネマきっぷ」も利用できます。また、長野駅からは長電バスやぐるりん号を利用してアクセスすることも可能です。

長野グランドシネマズは、地域の人々に愛され、親しまれる映画館として、多様な映画を提供し続けています。

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