長野県道251号上飯田線

長野県道251号上飯田線について

長野県道251号上飯田線は、長野県飯田市内を東西に走る一般県道です。全長は約30.1kmで、飯田市上村（旧上村）を起点とし、飯田市座光寺（飯田線元善光寺駅）を終点としています。

概要

この道路は、伊那山地を赤石隧道で貫通しており、かつては遠山郷と伊那谷を直結する重要な道路として利用されていました。しかし、1994年（平成6年）に高規格な矢筈トンネルが開通したことで、メインルートとしての役割は変化しました。

路線名は、飯田市内の上飯田地区とは直接関係なく、旧下伊那郡上村（現在の飯田市上村地域）と飯田市を結ぶことに由来しています。冬季には、赤石隧道を含む伊那山地付近の区間が通行止めとなります。

この道路の前身は、森林開発公団によって建設された「赤石林道」です。1982年（昭和57年）に県道に編入されました。

歴史

かつて、旧上村を中心とする遠山郷と飯田市中心部のある伊那谷の間には、伊那山地がそびえ立っていました。両地域を結ぶ主要な交通路は、小川路峠を越える秋葉街道の脇道のみでした。この道は古くから利用されてきましたが、険しい山道であったため、近代の大量輸送には適していませんでした。

そのため、平岡を経由するルート（遠山川に沿って伊那山地を大きく南へ迂回する経路）が、遠山郷と伊那谷を結ぶメインルートとなりました。しかし、このルートは上村と飯田市中心部を結ぶには遠回りでした。

そこで、伊那山地を横断して飯田市中心部へ直線的に向かう道路の整備が求められました。この道路は、森林開発公団によって林道として建設されることとなり、1968年（昭和43年）に「赤石林道」として開通しました。

赤石林道は、伊那山地を赤石隧道で貫通し、自動車での通行が可能となりました。しかし、1972年（昭和47年）1月には自動車の転落による死亡事故が発生するなど、道路状況はまだ厳しいものでした。

1982年（昭和57年）に赤石林道は長野県に移管され、長野県道251号上飯田線となりました。1994年（平成6年）に矢筈トンネルが開通するまでは、遠山郷と伊那谷を結ぶメインルートとして、その後は矢筈トンネルを経由する国道474号の代替路として機能しています。

路線データ

起点：飯田市上村（国道152号交点）
終点：飯田市座光寺（飯田線元善光寺駅）

交差する道路

国道152号
国道256号
三遠南信自動車道 矢筈トンネル
長野県道18号伊那生田飯田線
国道153号
長野県道229号市場桜町線

脚注

事故現場の道路脇には、犠牲者を供養する地蔵が置かれています。

関連項目

長野県の県道一覧

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