長野県道327号槍ヶ岳矢村線

長野県道327号槍ヶ岳矢村線について

長野県道327号槍ヶ岳矢村線は、北アルプスの名峰、槍ヶ岳を起点とし、長野県安曇野市穂高有明の長野県道306号有明大町線旧道交差点に至る一般県道です。一般には「中房線」という通称で親しまれています。

概要

この路線は、槍ヶ岳から安曇野市街地を結ぶ主要な道路であり、特に中房温泉へのアクセス路として重要な役割を果たしています。山岳地帯を通過するため、急峻な地形と豊かな自然が特徴です。

路線データ

通過自治体: 長野県安曇野市
起点: 槍ヶ岳
終点: 安曇野市穂高有明（長野県道306号有明大町線旧道交点）
主な経由地: 中房温泉
総延長: 15,175.8m
実延長: 14,157.6m

規制

車両制限: 宮城ゲートから先、長さ10.0m以上、ホイールベース4.9m以上の車両は通行できません。
雨量規制: 宮城ゲートから中房ゲート間では、連続雨量80mm、時間雨量25mmを超えると通行規制が実施されます。
冬期通行止め: 宮城ゲートから中房ゲート間は、冬季通行止めとなります。

歴史

この道路は、中房川での水力発電開発に伴い、資材運搬を目的として建設されました。以前は、満願寺から大峠を越え、冷沢を下って信濃坂を登るルートが中房温泉への主要なアクセスルートでしたが、この道路の開通により、より安全かつ効率的な移動が可能となりました。

建設工事は急峻な地形のため難航し、観音峠には工事中に殉職した作業員の慰霊と厄除けのため、地蔵が建立されています。

路線状況

この路線には、いくつかの橋梁やトンネル、洞門などの道路施設が存在します。

温泉橋 - 長さ32.0m、幅5.0m
曲沢橋 - 長さ13.0m、幅5.5m
中房橋 - 長さ18.0m、幅5.0m
信濃坂橋 - 長さ27.4m、幅4.5m
猿渉沢洞門 - 長さ105.0m、幅6.5m、高さ4.7m
東中小屋沢覆工 - 長さ113.1m、幅6.5m、高さ4.7m
朴の木橋 - 長さ13.0m、幅5.0m
玉垂洞門 - 長さ72.6m、幅6.5m、高さ4.7m
玉垂トンネル - 長さ89.0m、幅6.5m、高さ4.7m
玉垂橋 - 長さ32.2m、幅6.5m
一の瀬橋 - 長さ27.6m、幅4.6m
大王橋 - 長さ53.3m、幅5.5m

地理

この路線は、山岳地帯を通るため、急峻な地形が特徴です。沿線には、中房川が流れ、美しい渓谷景観が広がります。

交差する道路

長野県道306号有明大町線旧道（終点）

沿線

沿線には、以下のような施設や観光スポットがあります。

中房川
中房温泉
安曇野市有明荘
信濃坂
中部電力中房第五水力発電所
観音峠
中部電力中房第四水力発電所
中部電力宮城第二水力発電所
中部電力宮城第一水力発電所
中部電力宮城第三水力発電所
有明山神社
穂高古墳群 - 魏石鬼窟
有明高原寮
穂高温泉

参考資料

穂高町誌編纂委員会編集『穂高町誌 第三巻（歴史編 下）』穂高町誌刊行会、1991年1月20日。

関連情報

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* 長野県安曇野建設事務所 道路状況

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