長野県道441号穂高松本塩尻自転車道線

長野県道441号穂高松本塩尻自転車道線：あづみ野やまびこ自転車道の現状

長野県道441号穂高松本塩尻自転車道線、通称「あづみ野やまびこ自転車道」は、長野県安曇野市穂高を起点に、松本市を経て塩尻市本山宿に至る自転車道を計画された路線です。しかし、現状は計画の全容が完成しておらず、利用にあたっては注意が必要です。

各市区間の状況

安曇野市区間: 安曇野市区間は、烏川や拾ヶ堰沿いを走り、比較的整備が進んでいる区間です。拾ヶ堰の管理道路の一部を利用している部分もあり、比較的走りやすい環境が確保されています。しかし、それでも、急勾配や、道路の途切れ、拾ヶ堰を渡る箇所が複数あるなど、完璧に整備されているわけではありません。安曇野市独自のサイクリングコースと重複する部分もあり、観光客にも利用されています。

松本市区間: 松本市区間は、安曇野市境から塩尻市境まで、未整備区間が点在しています。特に、安曇野市境から神戸橋の間、および塩尻市境から郷原橋までの区間は、整備が進んでおらず、利用には注意が必要です。奈良井川沿いを走る区間では、堤防道路の外側に建設するため、用地買収に時間がかかったことなどが、整備の遅れに繋がっています。未整備区間では、並行する道路を迂回ルートとして利用する必要がありますが、交通量の多い区間を通行しなければならない箇所もあり、安全に配慮した走行が必要です。立体交差が少ないのも特徴で、平面交差が多く、交通量の多い道路との交差では注意が必要です。

塩尻市区間: 塩尻市区間も、松本市と同様に未整備区間が多く存在します。松本市との境から郷原橋までの約2km区間のみ開通しており、郷原橋以南の本山宿までは、現状整備されていません。そのため、2024年現在、郷原橋が事実上の終点となっています。地主との交渉が難航した場所や、家屋や畑を避けるように建設された結果、道路が途切れている箇所も見られます。

全体像と課題

全長を通して見ると、あづみ野やまびこ自転車道は、計画段階と現状に大きな乖離があることがわかります。安曇野市区間は比較的整備が進んでいるものの、松本市、塩尻市区間では未整備区間が多数存在し、快適なサイクリングを楽しむには、現状では困難です。

主な課題としては、以下の点が挙げられます。

用地買収の遅れ: 特に松本市区間では、用地買収に多大な時間と予算を費やした結果、工事が遅延しました。
地主との交渉: 一部区間では、地主との交渉が難航し、建設が遅れたり、計画変更を余儀なくされたりしています。
未整備区間の存在: 現在も多くの未整備区間が残っており、自転車利用者は迂回を余儀なくされています。
平面交差の多さ: 立体交差が少ないため、交通量の多い道路との交差では危険が伴います。

これらの課題を解決するためには、関係各機関による更なる努力と、地元住民との連携が不可欠です。計画通りの完成に向けて、継続的な取り組みが求められています。現時点では、自転車利用者は、未整備区間の状況を事前に確認し、安全に配慮した走行を心がける必要があります。また、県建設事務所が推奨する迂回路などを利用することが重要です。

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