長野電鉄2500系電車

長野電鉄2500系電車の概要と歴史

長野電鉄2500系電車（ながのでんてつ2500けいでんしゃ）は、1981年に長野線の地下化に伴い、長野電鉄で使用された通勤電車です。本記事ではこの電車の成り立ちや、同時期に導入された2600系について詳しく述べます。

開発背景

1980年代の長野地域において、長野線長野 - 善光寺下間の地下化が決定された際、A-A基準に適合する車両が必要とされました。そのため、長野電鉄は1977年から1985年にかけて、東京急行電鉄（東急）の5000系を譲り受けることとなります。初代の5000系から譲渡されたのは、2両編成が10本（20両）、3両編成が3本（9両）の計29両でした。この譲渡は長野県内の経済発展を背景にしており、長野東急百貨店などの支援があったため実現しました。

車両の導入と改造

譲渡が始まったのは1977年1月25日であり、その後試運転を経て1981年2月9日に本格的な運行が開始されました。譲渡された車両は、長野電鉄の編成に合わせて2両編成が2500系、3両編成が2600系と分類されました。

さらに、これらの車両は導入に際して多くの改造が施されました。主電動機の変更や、主抵抗器の交換、また電動発電機や蓄電池の移設が行われ、耐寒性や耐雪性を高めるための工事も実施されました。特に、尾灯の移設やワイパーの増設などは長野電鉄への譲渡時の特徴的な変更点でした。

塗装と愛称の変遷

元々、東急5000系は緑色の塗装を施されて「青ガエル」と呼ばれていましたが、長野電鉄に譲渡後はファーストレッドとストロクリームのツートンカラーに塗り替えられ、「赤ガエル」へと愛称が変わりました。この新たな塗装は1991年頃に変更され、前面デザインも改良されました。

運用とその後

1980年代から1990年代にかけて、長野電鉄の主力車両として活躍していましたが、1993年から1998年にかけて日比谷線用の3000系に置き換えられ、全車両が廃車される運命を辿りました。最終的にモハ2602 - サハ2652 - モハ2612のT2編成は、長野電鉄の公式サイトで無償譲渡が告知されましたが、結局譲渡が実現せず解体処分となりました。

保存と再生

引退後、C10編成のモハ2510とクハ2560が解体を免れ、長野県須坂市で保存展示されていました。その後、2021年に総合車両製作所がモハ2510を取得し、復原作業が進められています。この作業は2022年に開始され、最終的には2025年に「機械遺産」として認定されることを目指しています。

長野電鉄2500系電車は、地域の発展と共に歩んできた歴史を持ち、今も多くの鉄道ファンに愛される存在です。将来的な復原完成が楽しみですね。

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