長髪大怪獣ゲハラ

長髪大怪獣ゲハラについて

『長髪大怪獣ゲハラ』は、2009年に公開された日本の特撮映画です。この作品は、2008年にNHKのテレビ番組『テレ遊びパフォー!』における怪獣デザインコンテストで見事グランプリを獲得した「長髪大怪獣ゲハラ」を基にしています。初めて放映されたのは2009年2月24日の深夜で、その後、同年3月に開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でも上映されました。この映画は市民賞を受賞し、その人気を証明しました。

制作背景と特技

映画の美術ワークは、マーブリング・ファインアーツが担当し、彼らが保有するミニチュアを使用しています。映画の本編は約15分と短いですが、制作にはNHKスペシャル一本分の予算が投じられたと報じられています。しかしながら、予算には限界があり、特にゲハラの金沢進撃シーンでは「石膏壊し」として知られるミニチュアの破壊描写が極力抑えられる結果に。これに対し、放送後にはCGを追加して再編集したディレクターズカット版も制作されました。

怪獣ゲハラ

ゲハラという怪獣は、全身が長い毛で覆われており、その名前の由来は「禿げ」です。彼は山奥にある「毛覇羅神社」で長い間封印されていましたが、その封印が解かれ復活しました。ゲハラの毛は、クッションの役割を果たし、砲撃を防ぐ効果がある反面、被弾した部分や毛が剥離した際には、毒ガスのような強烈な臭いを放ちます。また、ゲハラの襲撃を受けた人々は頭髪を失うという奇妙な現象が確認されています。彼はまず日本海で漁船「友郎丸」を襲った後、能登半島北部に上陸し、南下しながら金沢市街地を襲撃。最終的には防衛隊に撃退され、山に戻り倒されるも、宇宙人に捕らえられるという展開を迎えます。

登場兵器・メカニック

映画には、いくつかの印象的な兵器やメカニックが登場します。

• - 気体渦動展開装置〈フージン〉：防衛隊が開発した新型兵器で、強風を生成しゲハラの攻撃を支援する役割を果たします。実際には扇風機を基にしたミニチュアで制作されています。
• - 74式戦車：金沢市で展開された防衛隊の主力兵器ですが、実物ではなくラジコン戦車が用いられています。
• - 89式5.56mm小銃・AR-15自動小銃：この自動小銃は防衛隊の普通科部隊によって使用されます。
• - F-2：実際に存在する戦闘機で、金沢市でのゲハラ追跡のシーンに使用されています。

キャスト

映画には多くのキャストが登場し、個性豊かな役柄を演じています。主なキャストには、萩原英男を大沢健が演じ、桃子役には藤井美菜が、都留子役には丘みつ子が出演しています。また、戦車隊隊長をピエール瀧が演じ、宇宙人の役にはテリー伊藤が起用されています。

制作スタッフ

製作総指揮を樋口真嗣が務め、企画と脚本はみうらじゅんが手がけます。監督は田口清隆が担当し、美術や特殊効果についても多くの才能が集結しています。特に音楽には伊福部昭が起用され、作品全体に緊張感を与えています。

映像ソフト

この映画は2009年9月30日にBDとDVDがリリースされ、ディレクターズカット版が本編として収録されています。また、特典としてテレビ番組での放映回も収められています。作品自体の短さにもかかわらず、深いテーマやユニークなキャラクター、魅力的な特技が詰まった『長髪大怪獣ゲハラ』は、観客に新たな視覚体験を提供する特撮映画として今も多くの人々に愛されています。

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