門田新一

門田 新一（かどた しんいち、後に恭明と改名）は、1949年3月26日に愛媛県伊予郡松前町で生まれた日本の男性元プロボクサーです。現役時代は三迫ボクシングジムに所属し、引退後はボクシング指導者として活動、現在はファミリーフォーラムボクシングジムの会長を務めています。

彼の人生は、幼少期に両親と相次いで死別するという厳しい始まりでした。しかし、ボクシングへの情熱を燃やし、地元の新田高校ボクシング部で頭角を現します。その才能は、同郷の先輩であり、後に名伯楽として知られる三迫仁志氏の目に留まり、スカウトを受けて上京し、プロボクサーへの道を歩み始めました。

1967年4月30日、彼はプロデビュー戦を迎え、竹之内徳美選手を第1ラウンドでノックアウト（KO）して、鮮烈な白星を飾ります。その後も快進撃を続けましたが、同年12月18日に行われた東日本フェザー級新人王決定戦で沢口和広選手に判定で敗れ、連勝はストップしました。

キャリアを積み重ねる中で、門田選手は強豪との対戦を経験します。1970年6月6日には、元WBC世界ジュニアライト級王者であるレネ・バリエントス選手と拳を交えましたが、判定負けを喫しました。

同年10月17日、彼のキャリアにおける大きな節目が訪れます。趙永喆選手が保持していたOBF東洋ライト級王座への挑戦です。この試合で門田選手は3ラウンドKO勝利を収め、見事に王座を獲得しました。

しかし、王座在位期間は長くは続きませんでした。1971年8月13日にはノンタイトル戦で鈴木石松選手に8ラウンドKO勝利を収めたものの、1972年1月16日に行われたOBFタイトルマッチの再戦では判定負けを喫し、王座から陥落しました。

その後も精力的に活動を続け、1973年7月31日には、元WBC世界ライト級王者のチャンゴ・カルモナ選手を相手に、7ラウンドKOで勝利を収めるなど、世界レベルの選手とも互角以上に渡り合いました。

1974年、彼はリングネームを「門田 恭明」に変更します。同年10月26日、日本大学講堂を舞台に、遂に世界王座へ挑戦する機会を得ます。相手は、当時のWBA世界ジュニアウェルター級王者、アントニオ・セルバンテス選手でした。しかし、この試合は8ラウンドでKO負けとなり、自身にとってプロキャリアで初のKO敗戦を喫することとなりました。

プロボクサーとしての最後の試合は、1976年11月19日に行われたシグフリト・ロドリゲス選手との一戦でした。この試合に4ラウンドKO負けを喫した後、リングを降りることを決意しました。

彼のプロ戦績は、49戦38勝（うち25KO）10敗1分という記録を残しています。

引退後、門田氏は故郷である愛媛に戻り、「愛拳松山ジム」を設立し、指導者として新たな道を歩み始めます。そして現在は再び東京に移り、ファミリーフォーラムボクシングジムの会長として、多くのボクサーたちの育成に情熱を注いでいます。長男の門田光一氏も同ジムでトレーナー兼マネージャーとして、父を支えています。

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