三迫仁志

三迫仁志の生涯と功績

三迫仁志（みさこ ひとし）は、1934年1月10日に愛媛県新居浜市に生まれました。ボクシング界の重要な人物として知られ、元プロボクサーでありながら、プロボクシングプロモーターとしても名を馳せました。彼は2019年8月1日に85歳で亡くなるまで、多くのボクサーに影響を与え続けました。

初期の経歴とボクシングの始まり

仁志は新居浜市長と親しい関係にあったライオン野口の紹介でボクシングを始め、上京しました。彼は西条高校から明治高校に転校し、ここで高校生プロボクサーとしてデビューしました。同級生には後の読売ジャイアンツ監督藤田元司、同じ大学には野口家の長男であり、キックボクシングの先駆者でもある野口修がいます。

大学在学中、仁志は日本フライ級王者のタイトルを獲得し、さらに約2か月後にはOBF（現OPBF）東洋フライ級王座も手に入れました。この時期の彼は、スパーリングパートナーに野口の次男である野口恭や、後に協栄ボクシングジム会長となる金平正紀がいました。

プロボクサーとしてのキャリア

仁志は1956年にOBF東洋バンタム級王座に挑戦し、前年の試合で敗れたレオ・エスピノサに再挑戦したものの、再び判定で敗北します。その後も彼のランキングは高まり、世界フライ級で4位まで達しましたが、世界タイトルに挑戦する機会には恵まれませんでした。1958年4月4日には、木村七郎との試合で10R判定負けを喫し、その試合を最後に現役を引退しました。通算成績は51戦32勝（6KO）14敗5分、11EXというものでした。

引退後の活動

引退後、仁志は日本教育テレビ（現在のテレビ朝日）のプロボクシング番組にアドバイザーとして関与しましたが、1960年には江東区塩浜で自身のボクシングジムを設立しました。その後、事務所を千代田区飯田橋に移し、練習場を板橋区大山に設けるなどしつつ、1990年4月からは練馬区にジムを移転して運営を続けました。

彼は、輪島功一や、長女と結婚し後に離婚した三原正、友利正といった世界レベルのチャンピオンを輩出しました。また、彼自身が味わえなかった世界タイトル挑戦の機会を、数多くの選手に提供しました。一例として、高橋美徳、桜井孝雄、門田新一などが挙げられます。彼の尽力により、フジテレビと提携して多くの世界タイトルマッチを開催し、毎月のダイヤモンドグローブも実施され、日本及びアジアのプロボクシング界を代表するプロモーターとしての地位を確立しました。

最後の年

2014年2月には、長年務めた会長職を息子の三迫貴志に譲り、自身は名誉会長に就任しました。彼は2019年8月1日、東京都内の病院で85年の生涯を閉じました。引退後も多くの後進を育成し続けた彼の存在は、日本のボクシング界において忘れられることはありません。

受賞歴

彼は2019年度のプロボクシング部門で特別賞を受賞しており、その業績は高く評価されています。

今後も三迫仁志の名前がボクシング界で語り継がれ、多くの選手たちにインスピレーションを与え続けることでしょう。

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