間島特設隊

間島特設隊

間島特設隊は、満州国に存在した朝鮮人によって編成された特殊部隊です。その通称は「間島特設隊」として知られています。

概要

1938年（または1939年3月）、満州国軍隷下として間島省明月溝に創設されました。これは、以前存在した朝鮮人国境監視隊が解体され、国境警察に編入されたことに伴い、その下士官を基幹として編成されたものです。部隊は主に間島地域で徴募された朝鮮人兵士で構成されており、士官の一部は日本軍官でしたが、多くは満州国軍官学校で教育を受けた朝鮮人士官が配属されました。

満州国軍に所属していましたが、部隊の建設、教育、作戦への投入は全て日本軍の支配下で行われました。初代指揮官は染川一男少校で、部隊は本部、第1連、第2連、機関銃連で編成され、総兵力は約360名でした。その後、2個歩兵連と重火器中隊である機迫連が編成されました。

機迫連は重機関銃と迫撃砲を装備し、歩兵の支援を担当しました。また、歩兵分隊もチェコ製の優秀な軽機関銃を装備するなど、当時の日本軍を上回る火力を持つ精鋭部隊でした。当初は対ソ連戦での特殊作戦を担う予定でしたが、実現せず、ゲリラ討伐戦に投入されました。

1939年から1941年まで、日本の討伐作戦に参加し、その活躍ぶりは日本軍からも高く評価されました。1944年には、華北戦線に投入され、中国軍と戦いました。終戦時は河北省に駐留し、解散後、一部は朝鮮半島へ帰還し、一部は中国に居住しました。

終戦とともに部隊は解体されましたが、出身士官は初期の韓国軍で重要な地位を占めました。連隊長や将軍にまで昇進し、韓国建国後の反乱鎮圧や共産ゲリラ討伐、朝鮮戦争で活躍しました。一方で、北朝鮮軍に入隊した者も少数存在しました。

編制

創設初期には、本部と2個連隊が設置されていました。歩兵連と機迫連が設置され、各連には複数の内務班がありました。部隊の出動時には、内務班が排（小隊）に改編され、排には複数の班（分隊）が置かれました。1940年以降は、新兵連を編成し、訓練を行いました。その後、歩兵第1連、歩兵第2連、機迫連に改編し、各連には3個排、各排には3～4個の班が置かれるようになりました。

1944年以降は、本部に副官処が置かれ、軍医、軍需、軍機、通信などを統括しました。また、専門情報活動を管理する軍官が置かれ、現地の情報班を指揮しました。隊員は全て朝鮮人で、1期から7期まで募集されました。募集対象は、間島省在住の満18歳以上20歳未満の朝鮮人男子で、国民学校または普通学校卒業程度の学力と日本語能力が必要でした。1期と2期は多数が募集されましたが、3期以降は約80名に固定されました。合計で約690名の隊員が入隊しましたが、常時の平均人員は指揮官を含めて300名前後でした。

所属した人物

隊長

初代 染川一男少校（1938年12月-1940年3月）
2代 園部市次郎少校（1940年3月-1941年秋）
代理 橋本清（1941年秋-1942年春）
4代 佐々木五郎少校（1942年春-1943年5月）
5代 柴田清少校（1943年5月-1944年7月）
6代 藤井義正少校（1944年7月-1945年8月）

隊員

（具体的な隊員名については、詳細な資料が必要となるため、ここでは割愛します。）

脚注

(具体的な脚注の内容については、参考文献を参照してください。)

参考文献

佐々木春隆『朝鮮戦争 韓国篇 上 (建軍と戦争の勃発前まで)』原書房、1976年
徐大粛 『金日成 思想と政治体制』（林茂 訳、御茶の水書房、1992年）
白善燁『若き将軍の朝鮮戦争』草思社、2013年。
藤田昌雄『もう一つの陸軍兵器史』光人社、2004年。
飯倉江里衣『満州国軍朝鮮人の植民地解放前後史 日本植民地下の軍事経験と韓国軍への連続性』有志舎、2021年。
김주용 (2008). “만주지역 간도특설대의 설립과 활동”. 한일관계사연구 (한일관계사학회) 31: 169-199.

関連項目

韓国軍
独立軍（間島地方で活躍した朝鮮独立義兵団について）
日中戦争
満州人脈
日本における検閲

外部リンク

歴史の闇にある独立軍討伐「間島特設隊」の実態を分析

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