関ヶ原バイパス

関ヶ原バイパス

関ヶ原バイパス（せきがはらバイパス）は、岐阜県不破郡を通過する一般国道21号の機能強化を目的として整備が進められているバイパス道路です。この道路の建設は、慢性的な交通混雑の緩和、沿線地域の生活環境の向上、そして冬期の積雪による交通障害や大規模災害発生時にも機能を維持できる、より強靭な道路ネットワークを構築することを主眼として計画されました。

計画概要

本バイパスの計画対象区間は、岐阜県不破郡垂井町日守から同郡関ケ原町今須までの区間を結ぶものです。しかし、現時点までに供用が開始され、実際に利用されている区間は、計画起点である垂井町日守から関ケ原町玉までの約6.3キロメートルに限られています。この供用済み区間の終点にあたる関ケ原町玉では、国道365号との接続が図られています。

整備区間の詳細

関ヶ原バイパスの整備事業は、効率的な工事執行のため、全体計画区間が以下の3つの工区に分割されています。

第1工区
対象区間：岐阜県不破郡垂井町日守から同郡関ケ原町大高までの区間です。
道路規格：高速走行性や安全性を重視した第3種第1級として設計されています。
車線数：最終的な計画では4車線ですが、現在は交通状況などを考慮し、暫定的な2車線での供用が行われています。

第2工区
対象区間：岐阜県不破郡関ケ原町大高から同郡関ケ原町玉までの区間です。
道路規格：第1工区と同様に、高い規格基準である第3種第1級が適用されています。
車線数：こちらも計画は4車線ですが、現在は第1工区と同じく暫定2車線での供用となっています。

第3工区
対象区間：岐阜県不破郡関ケ原町玉から同郡関ケ原町今須までの区間です。
道路規格：他の工区とは異なり、第3種第2級として計画されています。
車線数：計画では2車線の道路となる予定ですが、この区間については現時点では未整備の状態にあります。

事業の沿革

関ヶ原バイパスが事業化されてからの主な歴史的経緯は以下の通りです。

1972年（昭和47年）：関ヶ原バイパスの事業化が正式に決定されました。
1980年（昭和55年）：第2工区における用地の取得が開始されました。
1983年（昭和58年）：第2工区の建設工事が着工されました。
1987年（昭和62年）：第1工区における用地の取得が開始されるとともに、同工区の建設工事も着工されました。
1990年（平成2年）11月：第1工区のうち、関ケ原町野上（県道53号岐阜関ケ原線との交差箇所付近）から関ケ原町大高までの区間が部分的に供用開始されました。
1993年（平成5年）8月：第2工区の全線が供用開始となりました。
* 2004年（平成16年）1月29日：第1工区の残存区間であった、垂井町日守（国道21号現道からの分岐点付近）から関ケ原町野上までの約1キロメートル区間が開通し、これにより第1工区全体が供用されることになりました。

現状と今後の見通し

現在、関ヶ原バイパスとして利用できるのは、計画区間の一部である垂井町日守から関ケ原町玉までの区間のみです。これにより、この地域における交通の流れは一定程度改善されていますが、関ケ原町玉から今須までの第3工区は依然として未整備であり、バイパスが本来目指す全線開通には至っていません。今後、未整備区間の整備が進み、全線が開通することで、関ヶ原地域を通過する交通の円滑性が一層高まり、計画の目的である交通混雑の抜本的な解消、沿線環境の更なる改善、そして地域の防災力向上といった効果が十分に発揮されることが期待されています。今後の事業の進展が注目されます。

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