関和彦

関和彦：古代日本の歴史を深く探求した歴史学者

関和彦（せき かずひこ）は、1946年6月6日に東京都で生まれ、2019年3月31日に逝去した日本の歴史学者です。専門は日本古代史であり、特に古代社会生活史や『出雲国風土記』の研究に情熱を注ぎました。

学歴と職歴

1969年に早稲田大学文学部を卒業後、1971年には同大学院文学研究科日本史学専攻修士課程を修了しました。その後、1995年には「日本古代社会生活史の研究」で國學院大學から博士（歴史学）の学位を授与されました。

教育者としては、共立女子第二中学校・高等学校の校長を務め、次世代の育成に尽力しました。また、研究者としては、国学院大学文学部兼任講師や島根県古代文化センター客員研究員を歴任し、研究活動にも積極的に取り組みました。

研究内容

関和彦の研究は、文献史料だけでなく、考古学的成果や地域文化にも目を向け、多角的な視点から古代日本の歴史を解明しようとするものでした。特に『出雲国風土記』の研究では、現地のフィールドワークを重視し、古代出雲の社会構造や文化を詳細に分析しました。

主な著作

関和彦は、数多くの著作を通じて、その研究成果を世に問いました。以下に主な著作を挙げます。

『邪馬台国論』（校倉書房、1983年）
『風土記と古代社会』（塙選書、1984年）
『日本古代社会生活史の研究』（校倉書房 歴史科学叢書、1994年）
『卑弥呼 倭の女王は何処に』（三省堂、1997年 歴史と個性）
『古代農民忍羽を訪ねて 奈良時代東国人の暮らしと社会』（中公新書、1998年）
『新・古代出雲史 『出雲国風土記』再考』（藤原書店、2001年）
『出雲国風土記註論 総記・意宇郡条』（島根県古代文化センター、2003年）
『出雲国風土記註論 嶋根郡・巻末条』（島根県古代文化センター、2004年）
『古代出雲への旅 幕末の旅日記から原風景を読む』（中公新書、2005年）
『『出雲国風土記』註論』（明石書店、2006年）
『古代に行った男ありけり 古代の心象風景を出雲に探る』（今井印刷、2012年）
『古代出雲の深層と時空』（同成社、2014年）

これらの著作から、関和彦が古代史研究において、いかに幅広いテーマに取り組んでいたかが分かります。

共同研究・編著

関和彦は、単著だけでなく、共同研究や編著にも積極的に参加しました。以下はその一部です。

『古代王権と交流 2　古代東国の民衆と社会』編（名著出版、1994年）
『出雲の原郷』（瀧音能之共編、大社文化事業団、1995年）
『日本の歴史 08　古代天皇制を考える』（講談社、2001年 のち学術文庫）
『日本古代史地名事典』（雄山閣、2007年）

まとめ

関和彦は、古代日本の歴史、特に社会生活史や『出雲国風土記』の研究において、多大な貢献をしました。その研究は、文献史料だけでなく、考古学的な知見や地域文化にも着目した多角的なものであり、古代史研究に新たな視点をもたらしました。教育者としても、次世代の育成に尽力し、多くの人々に影響を与えました。彼の業績は、今後も古代史研究において重要な礎となるでしょう。

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