関啓扶

関 啓扶 (せき けいすけ)

関啓扶は1993年2月6日に愛知県半田市で生まれた元プロ野球選手です。投手として知られていましたが、そのキャリアは波乱に満ちたものでした。彼は小学校1年生から野球を始め、将来的にプロの選手になることを夢見ていました。中学生の時には、地元の知多東浦リトルシニアの副主将を務め、この時代に実力を身に付けました。その後、高校は三重県の菰野高校に進学し、硬式野球部で活躍。2010年には三重大会で準決勝まで進出しながら、惜しくも優勝を逃しましたが、その好成績からNPBドラフトで地元の中日ドラゴンズに指名を受けました。

プロ入りから初期の苦悩

関は2011年に中日ドラゴンズに入団しますが、プロ入り早々にイップスに悩まされることになります。この投球時にボールのコントロールが全くできなくなった状況は非常に辛いもので、プロ2年目の2012年まで公式戦に登板する機会はありませんでした。2013年にはウエスタン・リーグ公式戦に参加しますが、投球成績は芳しくなく、防御率は11.57という厳しい結果に終わりました。結局、2013年10月には戦力外通告を受け、同年11月には任意引退選手として公示されてしまいました。

現役引退後の転機

戦力外通告を受けた後、彼は中日球団の職員に転身し、二軍のマネジャーを務めました。マネジャーとして現役選手や首脳陣から投手の調整方法や配球について学ぶ中で、再び投手としての道を模索するようになります。2017年12月に菰野高校のOB戦に出場した際、最高141km/hを記録し、イップスを克服した手応えを感じました。この経験を契機に、彼は2018年のシーズン途中で行われる12球団合同トライアウトへの参加を決意しました。

トライアウトと新たな挑戦

2018年11月、関はタマホームスタジアム筑後で行われた合同トライアウトに参加しました。このトライアウトは、NPBで現役を引退した選手が実戦から5年間も登板していない中での参加という点で、彼自身が初の試みでした。彼はシートバッティング形式で3人の野手と対戦し、最初の対戦相手から三振を奪うなどのパフォーマンスを見せました。しかし、若干の四球も出す結果となり、NPBからのオファーには至りませんでした。彼は中日を退職後、歯科技工士になる計画を発表し、そのための専門学校への進学を決めました。

歯科技工士としての未来

関は2019年4月から歯科技工士の専門学校に通い始め、その後の2021年3月には国家試験に合格しました。彼は「スポーツマウスガードを作成し、ドラゴンズに恩返しできたら」と語り、その意気込みを胸に新たなキャリアを積んでいます。元プロ野球選手から歯科技工士への転身は多くの人々にとって驚くべき出来事ですが、関の誠実さと情熱があれば、きっと新しいステージでも成功を収めることでしょう。

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