関山信之

関山 信之（せきやま のぶゆき）

日本の政治家。衆議院議員を計4期務めた。1934年（昭和9年）2月5日、東京都新宿区に生まれる。幼少期を東京で過ごした後、新潟県へと移り、新潟県立三条中学校（現在の新潟県立三条高等学校）を卒業。学生時代から社会主義思想に触れ、社会主義協会に加わる。卒業後、同協会の事務局で実務経験を積んだ。

本格的に政治の道に進む前は、様々な政治家のもとで秘書を務め、その後の活動の礎を築いた。衆議院議員稲村順三や米田東吾、参議院議員武内五郎といった議員の秘書として、国政の現場を間近で学び、実践的な経験を重ねた。また、社会タイムス社での勤務経験も持つ。日本社会党新潟県本部で組織部長を務めるなど、党の地方組織における要職も歴任した。

1975年（昭和50年）、新潟県議会議員選挙に立候補し初当選。県議会議員を2期務め、地域に根差した政治活動を展開した。この県政での経験が、後の国政への足がかりとなる。

1983年（昭和58年）に行われた第37回衆議院議員総選挙において、旧新潟1区から日本社会党公認候補として立候補し、初当選を果たした。以後、連続して当選を重ね、通算4期にわたり衆議院議員として国政に携わった。

衆議院議員としてのキャリア初期には、学生時代から関わりを持っていた社会主義協会の影響が強かったが、党内での活動を通じて次第に思想的な立ち位置を変化させ、右派へと転じた。この転向は、後の日本社会党委員長となる村山富市との関係深化に繋がり、村山氏の側近として党の中枢で活動することとなる。

1994年（平成6年）に村山富市が党委員長に就任すると、関山は党の政策責任者である政策審議会長に抜擢された。この時期は、自民党、日本社会党、新党さきがけの3党による連立政権樹立に向けた動きが活発化しており、関山は日本社会党の代表として、自民党の加藤紘一、新党さきがけの枝野幸男と共に、実務者レベルでの協議を担った。この粘り強い交渉が合意に至り、村山内閣という歴史的な自社さ連立政権が誕生することに大きく貢献した。

しかし、政界再編の波の中で、所属していた社会民主党（日本社会党から改称）を1996年（平成8年）に離党する。同年の第41回衆議院議員総選挙では、新進党や民主党の支援を受けながらも、自民党候補に及ばず議席を失った。

翌1997年（平成9年）、民主党の結成と並行して新潟県における民主党の組織設立に尽力し、民主党新潟県連の初代代表に就任した。その後も国政への復帰を目指し、2000年（平成12年）の第42回衆議院議員総選挙や2001年（平成13年）の第19回参議院議員通常選挙に立候補したが、いずれも当選には至らず、政治活動から身を引いた。

引退後は、民主党新潟県連の顧問や、政治を目指す若手を育成するための政治スクールで塾長を務めるなど、後進の指導にあたった。彼の後継者としては、後に立憲民主党で活躍する西村智奈美がいる。

政治信条としては、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成するなど、リベラルな政策志向の一面も持ち合わせていた。また、趣味は茶道（石州流）であり、政治活動の傍ら、静謐な時間も大切にしていた。

2014年（平成26年）8月18日、胃癌のため新潟市東区の病院にて死去。享年80歳。その功績に対し、死没日付をもって旭日中綬章を受章し、従四位に叙された。

衆議院議員として4期を務め、特に村山連立政権樹立という歴史的な政治局面に深く関与した関山信之は、激動の時代を生きた政治家の一人として、その足跡を日本の政治史に残している。

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