関戸の戦い

関戸の戦い

関戸の戦いは、鎌倉時代後期の1333年（元弘3年）5月16日に、現在の東京都多摩市関戸周辺で行われた合戦です。この戦いは、鎌倉幕府を倒幕しようとする新田義貞軍と、幕府軍との間で繰り広げられました。

背景

新田義貞は、鎌倉幕府倒幕を目指し各地で兵を挙げました。分倍河原の戦いで勝利した義貞軍は、勢いを駆って鎌倉へと進軍を開始。一方、幕府側は北条泰家を大将とし、関戸に軍勢を配置して新田軍を迎え撃つ体制を整えました。

合戦の経緯

1333年5月16日、分倍河原の戦いを制した新田義貞軍は多摩川を渡り、関戸に到着。迎え撃つ北条泰家は、7万の兵を率いて霞ノ関一帯で防衛線を構築しました。しかし、新田軍の勢いは激しく、半日にも満たない戦いで幕府軍は壊滅的な打撃を受けました。

北条泰家は、家臣である横溝八郎や安保入道父子の奮戦により、辛くも戦場から脱出し鎌倉へ逃れました。しかし、幕府軍は兵の脱走や武将の逃亡が相次ぎ、組織として完全に瓦解しました。横溝八郎、安保入道父子は関戸で討ち死にしています。

この戦いの後、幕府側には新田義貞軍とまともに戦える兵力は残されていませんでした。

戦後

関戸の戦いの翌日、新田義貞軍は関戸に一日逗留し、体勢を立て直しました。そして、5月17日、鎌倉への総攻撃を開始。関戸の戦いから6日後の5月22日、鎌倉幕府は滅亡しました。

現在、霞ノ関跡周辺には、横溝八郎、安保入道父子の墓と伝えられる塚や、無縁仏（無名戦士の墓）が残されています。また、旧鎌倉街道沿いにある地蔵堂の前には、関戸古戦場跡の標柱が建てられています。多摩市にある観音寺では、現在でも毎月16日に戦いで亡くなった兵士たちの供養が行われています。

参考文献

峰岸純夫『新田義貞』吉川弘文館〈人物叢書〉、2005年5月10日。ISBN 4642052321。
府中市郷土の森博物館編集・発行 『府中市郷土の森博物館 特別展 合戦伝説―新田義貞と分倍河原合戦ー』 1994年3月20日

関連項目

分倍河原の戦い (鎌倉時代)
日本史の出来事一覧
日本の合戦一覧
沓切坂

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