関晃

関晃（せき あきら）

1919年1月5日、熊本県に生まれ、1996年4月20日に77歳で逝去した日本の歴史学者です。東京大学で国史学を学び、東北大学で長年教鞭を執り、名誉[[教授]]の称号を受けました。専門は日本古代史であり、特に大化の改新の研究で知られています。

生涯と業績

関晃は、1940年に東京帝国大学文学部国史学科に入学し、1942年に卒業。その後、大学院に進み、1951年に修了しました。1952年からは山梨大学学芸学部助[[教授]]、1960年には東北大学文学部助[[教授]]、1965年に同大学の教授に就任しました。1973年には東北大学文学部長も務め、1982年に定年退官しました。その後、フェリス女学院大学文学部教授、文学部長を経て、1989年に退職。1992年には勲二等瑞宝章を受章しています。

学説と人物

関晃の学説で最も重要なのは、「畿内王権論」です。これは、古代の日本国家が、畿内の豪族連合政権が各地の勢力を服属させることで形成されたという説です。従来のマルクス主義史観に基づく「在地首長制論」が有力だった時代に、この説を最初に提唱しました。当初は少数派でしたが、後に吉田孝や早川庄八によって発展し、笹山晴生や平野邦雄らの賛同を得て、通説化しました。現在も大津透らによって研究が継承されています。

関晃は、唯物史観に対して批判的であり、マルクス主義史学者からの批判も受けましたが、自説を曲げることはありませんでした。また、帰化人研究においても独自の視点を持ち、「帰化人は我々の祖先であり、彼らの仕事は日本人がしたことである」と述べています。帰化人を「渡来人」と呼ぶことにも批判的で、学術用語として不適切であると指摘しました。

主な著作

『帰化人-古代の政治・経済・文化を語る-』：古代における帰化人の役割を考察した著作。後に増補版や文庫版も出版されました。
『関晃著作集』全5巻：大化改新の研究、古代の帰化人、日本古代の国家と社会など、関晃の研究成果をまとめた著作集。
『史料による日本の歩み　古代編』（共編著）：古代史研究の資料をまとめたもの。
『平田篤胤 伴信友 大国隆正』（校注）：日本思想に関する古典の校注。
『律令』（校注）：日本の律令制度に関する古典の校注。
『類聚三代格』（校注）：日本の法典に関する古典の校注。

関晃は、その学説と研究姿勢によって、日本の古代史研究に大きな足跡を残した人物と言えるでしょう。

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