関根清三

関根 清三（せきね せいぞう）

関根清三氏は、1950年8月31日に生まれた日本の著名な倫理学者及び旧約聖書学者です。現在、東京大学の名誉教授であり、聖学院大学の大学院特命教授として活動しています。彼の研究分野は、旧約聖書学と倫理学であり、数多くの学会で重要な役割を果たしています。特に、日本旧約学会及び日本倫理学会の会長を歴任し、日本基督教学会の理事も務めています。さらに、和辻哲郎文化賞の選考委員及び日本アスペン研究所の副理事長としても知られています。

経歴

東京都出身の関根氏は、1969年に東京都立西高等学校を卒業後、1974年に東京大学文学部倫理学科を卒業しました。その後、同大学院人文科学研究科の博士課程に進み、1979年に単位を取得した後退学。1980年にはドイツ学術交流会（DAAD）の奨学生としてミュンヘン大学に留学し、1981年から1985年まで福音神学部にて学術助手として従事しました。

その後、1985年には北海道大学文学部助教授に就任し、1988年からは東京大学の助教授としても活動を始めました。1994年からは東京大学大学院人文科学研究科及び文学部の教授を務め、2016年までその職務に専念しました。教授在任中、ウィーン大学やエッセン大学、放送大学などで客員教授も歴任しています。

その間、1989年にはミュンヘン大学より「Die Tritojesajanische Sammlung (Jes 56-66) redaktionsgeschichtlich untersucht」という論文で神学博士の称号を取得し、1996年には東京大学より文学博士の称号も授与されました。

2016年には東京大学を定年退職し、その後名誉教授資格を得ました。現在は、聖学院大学大学院で特命教授として教鞭を執っています。

受賞歴

関根氏は多くの権威ある賞を受賞しています。1987年には和辻賞を受賞し、1995年には第7回和辻哲郎文化賞を受賞しました。受賞対象となった著書「旧約における超越と象徴」は1998年に第88回日本学士院賞を受賞し、さらに2019年には第73回毎日出版文化賞を受賞するなど、その業績が広く認められています。2022年には文化功労者としても表彰されました。

主な著書と研究

関根氏の著作は多岐にわたり、彼の研究成果を反映した重要な文献が多数発表されています。中には『旧約における超越と象徴 -解釈学的経験の系譜-』や『旧約聖書の思想 24の断章』、加えて最近の著書には『内村鑑三 その聖書読解と危機の時代』や増補版の『旧約における超越と象徴』などがあります。また、倫理や聖書に関する重要な議論を盛り込んだ共編著や翻訳も数多く手掛けています。

彼の研究は旧約聖書の深層的な理解に寄与し、倫理的な視点からのアプローチも合わせて、現代の学術界において重要な位置付けを持っていると言えるでしょう。関根清三氏の業績は、今後も広く引用され続けることでしょう。

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