関西放送制作

株式会社関西放送制作（通称：カンサク）は、大阪に拠点を置く番組制作会社です。同じく関西の名を冠する関西テレビ放送やラジオ関西とは、資本関係を含め直接的な繋がりはありません。略称として「KBC」を使用していますが、福岡の九州朝日放送とも無関係です。

カンサクの歴史と変遷

設立当初、中央競馬の速報番組を手掛けていましたが、その後、ラジオの公開収録イベントや、歌手、漫才師、落語家等の派遣事業へと移行しました。特に演歌を中心としたラジオ番組制作に注力し、最盛期には64もの帯番組を制作、各地のラジオ局で放送していました。

特徴的なのは、制作する全ての番組が配給ではなく、番組自体でスポンサーを募り、放送枠を確保する方式を採用していた点です。そのため、スポンサーの状況次第で番組が打ち切りになるケースも少なくありませんでした。

関連会社としてニットーエイブイスタジオ（NAS）がありましたが、後に親会社である関西放送制作に集約されました。NASのスタジオは賃借で利用されており、収録の都度、借りていたそうです。

主なラジオ制作番組

歌謡トピックス

岐阜放送ラジオ（ぎふチャン）で月曜から金曜の21時40分から21時50分に放送されている番組です。団あしの氏が担当しています。この番組は、昭和53年頃に南海放送で放送されていた「ミノルフォン歌の花束」の後継番組としてスタートしました。かつては九州朝日放送、宮崎放送、南海放送、高知放送、山陰放送、長崎放送、山口放送など多くの局で放送されていましたが、現在は岐阜放送のみでの放送となっています。

ハガキの宛先は、長らく浪速郵便局私書箱でしたが、2022年4月から岐阜放送に変更されました。番組テーマ曲は、ホルスト・ヤンコフスキーの「ベルリンストロール」で、団あしの氏がラジオ大阪のレコード室で見つけた音源を長年使用しています。

番組内では、団あしの氏が、ゲスト出演時に「○○放送のスタジオにお越しになりました」などと、大阪のスタジオで収録しているにも関わらず、各放送局のスタジオにいるかのようなコメントをすることがありました。番組の構成はゲストのプロモーションによって、各局で内容が異なる場合もあったようです。

2019年2月には番組を8分20秒から9分へと変更しました。事務所移転後は過去の番組の再放送が多くなり、新規収録は大阪市北区の「TOCスタジオ」を使用しています。テレビ番組「演歌百撰」の放送がある場合は、番組内で告知されることもあります。

2024年7月には、岐阜県大垣市で公開収録を行いました。

OBC演歌百撰

ラジオ大阪で2018年5月から放送開始された番組です。当初は毎週土曜の夕方に放送されていましたが、後に月2回の放送に変更。2019年11月以降は月1回または放送がない月も出てきています。2021年4月以降は放送休止状態でしたが、ラジオ関西の「演歌百撰」の終了に伴い、不定期で放送を再開しました。2022年10月からは、BS11での放送がない月にラジオ大阪で放送される形になっています。

演歌百撰（テレビ）

2010年まではサンテレビジョンを幹事局として全国の地上波民放で放送されていましたが、2011年からは日本BS放送（BS11デジタル）に移行しました。スカパー！では継続して第一興商スターカラオケで放送されています。2018年4月以降は、衛星チャンネル、地上波ともに単発枠での放送となっています。

番組内ナレーションは、フリーアナウンサーの小川真由氏が担当することが多く、2024年現在TV放送の内容および対象の放送局は岐阜放送ラジオの『歌謡トピックス』内で告知される予定となっています。

2023年12月には、団あしの氏が「来年3月から全国30局ネットで放送の計画がある」とコメントしましたが、実現には至りませんでした。

過去には、テレビ埼玉やBS11でスペシャル番組が放送されたり、加藤まさかつ氏を特集した番組や、若月あやをメインゲストにした番組など、さまざまな企画が放送されました。また、山口県民放３局で山口みどりのプロモーション番組が放送されるなど、地域に特化した番組も制作されました。

過去の主なラジオ番組

関西放送制作は、数多くのラジオ番組を制作していました。以下に主な番組を列挙します。

MAKOTOの夜はイタダキ（MBSラジオキー局）
らじとぴあワールド（MBSラジオ→CRKキー局）
歌謡フラッシュ（CRKキー局）
のってる歌謡曲、さとしのヤング歌謡曲、さとしのロンリーナイト（CRKキー局）
春日八郎 演歌ひとすじ（RCC中国放送など）
ミキとトールの歌謡特急便（OBCラジオ大阪など）
麻生ダイヤモンドデート（RCCラジオ福山放送局など）
ダイハツミュージックサタデー（RCCラジオ福山放送局）
ミノルフォン歌の花束(RNB南海放送)
YOUのセンスで有線タイム(RNB南海放送)
いちや歌謡プレゼント（KRY山口放送）
内田哲也と頼田有梨の演歌百撰（KRY山口放送）
いちや歌謡プレゼント・土曜日 → 頼田有梨の音楽畑（KRY山口放送）
RSK歌のショッピング(RSK山陽放送)
赤帽歌謡特急便 (RNC西日本放送)(JRT四国放送)
歌謡国内便（OBCラジオ大阪）
歌謡特急便（OBCラジオ大阪）
演歌百撰（ラジオ版）（ラジオ関西）
美山愛の今夜も愛して（OBCラジオ大阪）
内田哲也の歌謡特急便水曜日です（OBCラジオ大阪）
千田富士夫と高鷹しょうこの今夜は今夜の風が吹く（OBCラジオ大阪）
内田哲也と柴田富美子の演歌百景(OBCラジオ大阪)
如月レオンの雨やどり（OBCラジオ大阪）
歌声は風にのって（RNB南海放送）
内田哲也の演歌百景（OBCラジオ大阪）
内田哲也の歌謡特急便木曜日です（OBCラジオ大阪）
* ラジオ関西 演歌百撰（ラジオ関西）

これらの番組は、演歌を主軸としながらも、若者向けの番組も制作するなど、幅広いジャンルを手掛けていました。

特徴と特色

関西放送制作の番組制作の特徴として、過去に制作したラジオ番組のCMスポンサーへの営業も行い、多くの企業や団体のCMを流していたことが挙げられます。また、若者向けの番組でも演歌を多く流すなど、独自の番組作りを展開していました。

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