関西聖書学院

概要

関西聖書学院（かんさいせいしょがくいん、略称: KBI）は、奈良県生駒市に所在するプロテスタント系の神学校です。特定の教派にとらわれない超教派の立場を取り、ローザンヌ誓約を信仰基準としています。設立当初は日本福音教会（バプテスト派と聖霊派の性格を兼ね備える）によって設立されましたが、現在では単立ペンテコステ教会フェローシップ（TPKF）、ベタニヤ・クリスチャン・アッセンブリーズ、ジャパン・ベサニー・ミッションといった複数の団体も運営に参画しています。

教育理念と特色

学院の標語である「十字架と聖霊そして宣教」は、その教育の核を表しています。聖書信仰を重んじる福音派と、聖霊の働きを強調する聖霊派、両方の側面を大切にし、特に国内外への福音宣教の実践に重点を置いた教育を行っています。この理念に基づき、教職者や教会、地域社会で奉仕する信徒リーダーの育成を目指しています。

沿革

関西聖書学院の起源は、1949年に来日した宣教師ヘルゲ・ヤンソン氏が開拓した堺福音教会での聖書研究会に遡ります。1961年9月、堺福音教会および宣教師宅を校舎として、「聖書学院」の名称で1年コースが開設されました。翌1962年には「福音聖書学院」と改称し、修業期間が3年制となりました。1966年には兵庫県西宮市にある関西学院大学の隣接地に移転し、宣教師アーネスト・ペトリ氏が建設した学生寮との共存が約10年間続きました。1968年に理事会が発足し、現在の「関西聖書学院」へと名称が変更されました。1995年の阪神淡路大震災で校舎が大きな被害を受けたことを受け、2001年から校舎刷新が検討され、2005年に現在の奈良県生駒市へと移転しました。1992年からは毎年海外伝道プログラム（海外アウトリーチ）が実施されています。

主な出来事
1961年：大阪府堺市にて聖書学院1年コース開講
1962年：福音聖書学院に改称、3年コースとなる
1966年：兵庫県西宮市へ移転
1968年：関西聖書学院に改称
1995年：阪神淡路大震災で被災
2005年：奈良県生駒市へ移転
2011年：創立50周年記念祭を開催

カリキュラムとコース

学生は、聖書神学、組織神学、歴史神学、実践神学といった神学の主要分野を体系的に学びます。特に、福音宣教を重視する教育方針のもと、実践神学に力が入れられています。学院では、多様なニーズに応えるため、以下の6つのコースを提供しています。

短期バイブルコース（3週間）: 短期間の寮生活を通して聖書や神学の基礎に触れるコース。
基礎聖書コース（1年間）: 神学の基礎をじっくり学ぶコース。入学には受洗後1年以上の信仰生活と教会からの推薦が必要です。
教職者コース（3年間）: 主に教職者を目指すための専門的なコース。基礎聖書コースからの継続や、本科編入準備コースからの編入も可能です。
宣教師訓練コース（約半年）: 海外や異文化圏での宣教を目指すための実践的な訓練コース。英語の授業も含まれます。
教会開拓・刷新コース（2年間）: 教会開拓や既成教会の活性化に関する専門的研究を行う少人数制のコース。
通信教育コース:
生涯教育コース: 在宅や社会生活を送りながら学べる信徒向けの講座（単位認定なし）。
* 本科編入準備コース: 教会指導者の推薦と年1回のスクーリングを経て、教職者コース2年次への編入を目指すコース。

学生生活

短期バイブルコース、基礎聖書コース、教職者コースの学生は、校内に併設された学生寮で生活します。専従スタッフも同居しており、朝の早い起床や清掃、食事当番などを通じた共同生活の中で、信仰と人格の訓練が行われます。また、福音宣教の実践の場として、1992年から毎年実施されている海外アウトリーチ・プログラムがあります。

学校関係者と組織

卒業生、修了生、理事、教師などで構成される「KBIフレンズの会」は、会員相互の親睦を図り、学院の働きを支援することを目的として活動しています。

学院長には大田裕作氏（2000年～）、理事長には豊村善典氏（2001年～）が就任しています。主な卒業生には、ナイトdeライトのリーダーである長沢紘宣氏がいます。

所在地とアクセス

所在地は奈良県生駒市門前町22-1です。近鉄奈良線・けいはんな線「生駒駅」からタクシーで約5分、または徒歩約30分です。また、生駒ケーブルに乗り換え、「宝山寺駅」から徒歩約5分でもアクセス可能です。

象徴

校章には3本の十字架が描かれており、これは学院の標語「十字架、聖霊、宣教」を象徴しています。

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