関谷勝利

関谷勝利 - 日本の政治家と実業家

関谷勝利（せきや かつとし、1904年10月20日 - 1987年7月6日）は、愛媛県松山市に生まれた日本の実業家及び政治家である。自由民主党に所属し、衆議院議員として11期、計30年間にわたり国政に携わった。

経歴

関谷は、1922年に松山中学校を卒業後、海運業や土木建築請負業に従事した。彼は伊予運送や松山商興、伊予造船などの取締役、また多くの企業や団体の社長を歴任。これにより、地元経済の発展にも寄与した。

地方政治にも積極的に関与し、三津浜町の町会議員や愛媛県会議員を歴任した後、国家政治に進出。その後、日本進歩党の幹事としても活動したが、1946年には自由民主党から衆議院議員に初当選する。この当選を皮切りに、1976年までの長きにわたる政治キャリアを築いた。

彼は党の交通部会長や衆院内閣委員長などを歴任し、運輸族として知られる存在に成長。特に「陰の運輸大臣」と称され、運輸政策において重要な役割を果たした。

汚職事件

しかし、彼の政治人生は決して順風満帆ではなかった。1954年、造船業界で発生した汚職事件では、飯野海運グループから20万円を受け取ったことで収賄罪とされ、懲役1年、執行猶予2年の判決を受けた。この事件は、彼にとって致命的な打撃となった。

次に、1967年には大阪タクシー汚職事件に関与し、再び収賄容疑で逮捕された。この事案では、一審で懲役1年、執行猶予2年の判決が下され、その後の1983年に大阪高裁でもこの判決が支持され、彼の名声に傷がつく結果となった。1987年には上告中に死去するまで、彼の政治活動は数々の汚職問題に影響を受けていた。

遺産

関谷の政治キャリアや実業界での貢献は続くが、彼にまつわる数々のスキャンダルは、後世の評価にも影響を与えている。彼の政治的努力や経済への貢献は評価されながらも、汚職事件がその影を落とす形となった。彼は自身の人生を通じて、日本の戦後政治の変遷を体現し、複雑な歴史の一部として語り継がれることになる。

参考文献

• - 田中二郎、佐藤功、野村二郎編『戦後政治裁判史録2』第一法規出版、1980年。
• - 『政治家人名事典』編纂・発行 - 日外アソシエーツ、1990年。
• - 『新訂 政治家人名事典 明治～昭和』編集・発行 - 日外アソシエーツ、2003年。
• - 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

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