関谷昇

関谷 昇（せきや のぼる、1971年7月11日生まれ）は、日本の政治学研究者であり、現在、千葉大学法政経学部で教鞭を執る教授です。

栃木県今市市（現在の栃木県日光市）で生を受け、現在は千葉県白井市に居を構えています。学術的な専門領域は政治思想史および政治学にわたり、特に近代の社会契約説に関する研究、自治の概念、補完性原理、そしてコミュニティ論といったテーマを深く掘り下げています。また、これらの思想的研究と並行して、市民自治、市民参加・協働を通じたまちづくりの実践についても精力的に研究を進めています。

関谷氏の学歴は以下の通りです。

1990年3月：千葉県立船橋東高等学校を卒業。
1995年3月：獨協大学法学部法律学科を卒業。
1995年4月：千葉大学大学院社会科学研究科法学専攻に入学。
1997年3月：同専攻を修了し、修士（法学）の学位を取得。
1997年4月：千葉大学大学院社会文化科学研究科日本研究専攻に入学。
2000年3月：同専攻を修了し、博士（法学）の学位を取得しました。

大学院修了後、関谷氏は研究者としてのキャリアを千葉大学でスタートさせました。

2000年5月：千葉大学法経学部の助手として着任。
2003年1月：同学部の助教授に昇任。
2005年4月：千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程の担当を兼任。
2007年4月：組織改編に伴い、千葉大学法政経学部の准教授となります。
2016年4月：同学部の教授に就任し、現在に至ります。

学術的な業績としては、多くの著書や論文を発表しています。特に単著としては、『近代社会契約説の原理――ホッブス、ロック、ルソー像の統一的再構成』（東京大学出版会、2003年）があります。この著作では、近代の重要な政治思想家であるホッブス、ロック、ルソーの社会契約説を原理的な視点から統一的に再構成するという、意欲的な試みを行っています。

共著論文も多数あり、主要なものとして以下のものが挙げられます。

「国家と社会」（岡崎晴輝・木村俊道編『はじめて学ぶ政治学』ミネルヴァ書房、2008年）
「社会契約説と憲法」（杉田敦編『岩波講座憲法３ ネーションと市民』岩波書店、2007年）
「戦後日本の主権論と一般意志の原理――憲法と政治をめぐる思想史的考察」（坂野潤治・新藤宗幸・小林正弥編『憲政の政治学』、東京大学出版会、2006年）
* 「丸山眞男における『作為』論の展開――再解釈と再定式化に向けて」（小林正弥編『丸山眞男論――主体的作為、ファシズム、市民社会』、東京大学出版会、2003年）

研究活動に加え、関谷氏はその専門知識を社会に還元する活動も積極的に行っています。千葉テレビの番組『NEWSチバ930』ではコメンテーターとして出演し、時事問題や政治に関する解説を行っています。また、自身の研究テーマである市民自治やまちづくりに関する講演を、千葉県内にとどまらず全国各地で実施しており、アカデミックな知見を地域社会の実践へとつなげる役割を担っています。

このように、関谷昇氏は政治思想史の深い研究を行う傍ら、その成果を広く社会に伝え、市民社会の発展に貢献すべく多方面で活動している政治学者です。

もう一度検索