関釜連絡船

関釜連絡船の歴史と航路の重要性

関釜連絡船（かんふれんらくせん）は、明治38年に当たる1905年から昭和20年の1945年まで、山陽汽船によって下関と朝鮮半島の釜山を結ぶ国際航路として運航されていました。この航路は、鉄道国有法に基づき国有化された後、鉄道院によって運営されるようになりました。関釜連絡船は、当時の日本と朝鮮半島を繋ぐ重要な交通手段であり、特に大陸進出を目指す多くの兵士や希望を持つ開拓団にとって欠かせない存在でした。

航路の概要

関釜連絡船の航路は、玄界灘を横断し、壱岐や対馬を経由して朝鮮海峡を渡るものでした。下関から釜山までの両航路の距離はそれぞれ約240キロメートル、約215キロメートルで、航行には7時間から8時間半程度を要しました。特に終戦前、関釜連絡船は日本本土と外地を結ぶほぼ唯一の連絡船であり、「君が代丸」が大阪と済州島を結ぶ程度の存在でした。

航路の発展と変遷

関釜連絡船は、1905年9月11日に初めて運航を開始しました。この日の運航に合わせて、初代壱岐丸が就航しました。また、1905年には対馬丸の就航により、毎日の運航が可能となりました。その後、1906年に国有化されることで、国鉄の運営に移行し、韓国の併合に伴って国内航路として扱われるようになりました。

1943年には、博多と釜山を結ぶ博釜連絡船が新たに就航しましたが、同年、関釜連絡船の崑崙丸はアメリカ海軍の潜水艦による攻撃を受けて沈没し、多くの犠牲者が出ました。この事故以降、夜間の航行が自粛されることとなります。1945年に至っては、空襲や対馬海峡の封鎖などにより事実上運航が停止し、最終的に1949年には航路が閉鎖されました。

戦後の航路

戦後、朝鮮に新しい独立国が誕生し、韓国との国交が断たれていたため、関釜連絡船の航路は長らく復活しませんでした。しかし1965年に日韓の国交が成立し、1970年に関釜フェリーが新たな定期航路として就航しました。また、1991年からはJR九州が博多と釜山の間に高速船「ビートル2世」を導入し、両国間の交通の復活に寄与しました。

終わりに

関釜連絡船の歴史は、単なる交通手段にとどまらず、数多くの人々の希望や出発点であり、戦争や国際関係の影響を受けつつ、長い間地域の交通の中心として機能していました。今後もこの航路の歴史は、日韓交流の重要な一部を占め続けることでしょう。

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