関門連系線

関門連系線について

関門連系線（かんもんれんけいせん）は、九州と中国地方の電力系統をつなぐ重要な送電線であり、関門海峡を跨いでいます。この送電線は交流500 kV（50万ボルト）で、全長は64.2kmです。鉄塔は170基が設置されており、特に関門海峡を越える部分は独自の設計が施されています。所有者は電源開発の子会社、電源開発送変電ネットワークです。

概要

関門連系線は、北九州市の北九州変電所から山口県美祢市の新山口変電所までを結ぶ500 kVの送電線で、関門橋の北東に並行して架設されています。2021年の時点で、九州と本州を繋ぐ唯一の送電線とされています。特に、関門海峡を横断する部分は、最も低い部分でも海面から70.28mの高さがあり、これは保安のための離隔距離を考慮した結果です。これにより、関門橋を通過できる船舶は、関門連系線の下も無事通過できるように設計されています。

歴史

関門連絡線

関門海峡を最初に横断した送電線が関門連絡線で、1945年に日本発送電によって設置され、当時は20 kVのケーブルで三菱鉱業の炭鉱に電力を供給しました。

関門幹線

その後、日本発送電が所有していた関門幹線は、小倉市の西谷変電所から山口県の長門変電所を結ぶ110 kVの送電線で、1945年に完成しました。しかし、この幹線は大型船の通過に支障をきたす高さでした。

新関門幹線

九州電力が関わる新関門幹線は、1960年に運用を開始し、後に220 kVに昇圧されました。海峡横断部の高さも改良され、再度大型船が通過できるよう配慮された工事が行われました。

現在の関門連系線

1963年から計画が持たれていた関門連系線は、石油危機を契機に実現に向け進展を見せました。松島火力発電所からの電力を効率よく送る必要が生じたため、九州と中国地方を結ぶ500 kV連系計画が立てられ、その中でも関門連系線は重要な位置を占めています。1980年に完成したこの送電線は、現在では中部・関西・中国・九州といった四つの電力系統をつなぐ役割を果たしています。

2016年から2019年にかけて海峡部分の電線の張替え工事が行われ、2020年には電源開発から電源開発送変電ネットワークへの運用移管が行われました。

関門連系線は、日本の電力網を効率的に繋ぎ、安定した電力供給を実現するための基盤として欠かせない存在となっています。

まとめ

関門連系線の設置とその歴史を振り返ると、技術革新と電力需要の変遷に対応した結果として、九州と中国地方の電力系統の安定化に大きく貢献してきたことがわかります。

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