閻明復

閻明復：中華人民共和国の政治家の生涯

閻明復（えん めいふく）は、1931年11月11日に中華民国遼寧省海城市で生まれ、2023年7月3日に91歳で死去した中国の政治家である。彼は、中国共産党におけるさまざまな要職を歴任し、特に1989年の天安門事件において学生に同情的な態度を示したことで知られている。そのため、党内での立場を失うこととなった。

初期の役職と活動

閻明復は1949年にハルビン外国語専門学校を卒業し、その年に中国共産党に入党した。その後、中華全国総工会国際部科長や中共中央弁公庁翻訳組長、中共中央編集翻訳局の毛主席著作室などで活躍。この期間、彼は多くの国際的な貢献をする一方で、文化大革命のさなかの1967年には失脚し、活動を停止せざるを得なかった。

復帰と影響力の再構築

文化大革命後、閻明復は徐々に影響力を回復し、 中国大百科全書出版社の副総編集長、さらに第6期全人代常務委員会の副秘書長に就任する。1987年に行われた第13回党大会では中央委員に選出され、さらに中央委員会書記処書記や中央統一戦線部長に就任。これにより、彼は党内の重要な影響力を持つ人物となった。

天安門事件とその後

特に閻明復が注目されたのは、1989年の天安門事件での行動による。彼は、同年6月に発生した学生による民主化運動を支持し、特に趙紫陽とともに改革派としての立場を取った。事件の最中、閻明復は学生に対して断食をやめるように説得しようとしたが、これは成功しなかった。その後、常務委員会での会議を経ても、趙紫陽は断食を中止するよう学生に訴えることに失敗し、改革派の敗北が確定的となる。

1990年代初頭、閻明復は趙紫陽を支持したために全職務から解任されたが、1991年には鄧小平の支援を受けて民生部の副部長に復職。しかし、この時も彼の中央委員としての地位は回復されず、1997年には再び民生部副部長としての職位を解任された。

晩年と寄稿活動

その後の閻明復は、2005年から『炎黄春秋』紙に不定期でコラムを寄稿するなど、政治活動からは一歩引いた生活を送った。彼の生涯と経験は、改革・開放の過程における中国の政治シーンにおいて重要な意味を持っている。彼は、政治家としてだけでなく、歴史の証人としての役割も果たしてきた。

2023年7月3日、閻明復は年月を重ねた人生の幕を閉じ、91歳でこの世を去った。彼の遺産は、中国の近現代史において永久に記憶されることになるだろう。彼の生涯は、政治、改革及び人権に対する彼の姿勢を示すものであり、今後も多くの人々に影響を与え続けるであろう。

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