闘茶

闘茶（とうちゃ）について

闘茶とは、茶の点て方や飲用時の香りと味を通じてその産地を当てることを競う日本独自の遊びであり、特に中世から近世にかけて流行しました。この伝統文化は、回茶や飲茶勝負、茶寄合、茶湯勝負、貢茶などとも呼ばれ、現代においても「茶歌舞伎」としての形式が伝承されています。中国でも同様の文化があり、茗茶や銘闘といった異なる名称が存在します。

起源と歴史

闘茶の起源は中国に遡り、特に唐代に始まったとされ、宋代には「闘茶」、「闘試」、「茗戦」といった遊戯として発展を遂げました。蔡襄の著作『茶録』には、茶碗に水の跡がどのように付くかを見て勝者を決める遊びの記録があります。茶の質の良し悪しを比較するために、上位の等級を確認し合う活動が行われ、宋代には特に白茶が重視されたのも特徴的です。

日本における発展

日本で本格的に喫茶文化が形成されるようになったのは、鎌倉時代からのことです。各地で茶樹の栽培が始まり、特に京都郊外の栂尾産の茶が最高級とされていました。このような背景の中で、最初の闘茶は本茶と非茶の味を飲み分ける形でスタートしました。

鎌倉時代末期、後醍醐天皇が行った茶会が闘茶の初期形態の一つとされ、1332年には光厳天皇による「飲茶勝負」が記録として残っています。しかし、闘茶の流行には批判もあり、建武政権時代には茶寄合が禁止されることもありました。ただし、それでも闘茶は人気を博し、規模が大きなものになっていきました。

闘茶の方法

闘茶の形式は多岐にわたり、初期の頃は本茶と非茶を選ぶ単純なものでしたが、次第にその方法は洗練されていきます。特に南北朝時代から室町時代初期にかけて盛んに行われた「四種十服茶」は、さまざまな茶の種類を用いて参加者が試飲し、正解を当てる形式でした。

また、佐々木道誉の「百服茶」のような大規模な大会も行われ、夜を徹して行われることもあるほどでした。この時期には、二種四服茶、釣茶、源氏茶など多様な方法が存在し、闘茶は盛り上がりを見せていました。

文化の変遷

しかし、15世紀中頃以降には、東山文化に移行する中で、闘茶は徐々に衰退の道を辿ることになります。村田珠光や千利休などによって侘び茶が確立されると、闘茶は楽しい娯楽や賭博的な要素が排除されました。それでも、闘茶は日本の伝統文化として残り、歌舞伎者たちによる愛好や、現代では茶道の一環として再評価されるなどしています。

現代の闘茶

現在では、「茶歌舞伎」としての形式が受け継がれ、特定のルールの下で行われています。出された茶の産地を特定することが求められ、正解を出すプレッシャーが参加者にかかります。また、群馬県中之条町では「白久保のお茶講」という習慣が残り、その重要性が国に認められています。闘茶は時代を超えた日本文化の一部として、今なお続いているのです。

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