闞朝璽

闞朝璽 (かん ちょうじ) に関する詳細

生涯の概要

闞朝璽は清末から民国初期にかけて活動した中国の軍人及び政治家であり、北京政府奉天派及び後の満州国に属した。彼は当初、学問を追求する道を選び、錦州中学堂で学びましたが、時代の流れにより、その進路は大きく変わることとなります。最初の名前は後に潮洗（ちょうせん）に改名し、字は子珍でした。

奉天派での活動

闞は1906年に張作霖の巡防営で職に就くことから、政治や軍事の世界に足を踏み入れました。彼はバランスの取れた教育を受けた後、1913年には奉天陸軍講武堂の歩兵科を卒業し、その後もさまざまな役職を歴任しました。1918年には砲兵第27団団長を経て、奉天陸軍第2混成旅の旅長に昇進し、1919年には吉長鎮守使を兼任しました。この時代の彼の軍事的能力や指導力は徐々に認められていきました。

1922年、彼は第1次奉直戦争の際に戦闘に参加しました。この戦争で奉天派は敗北を喫したものの、闞が指揮する第1混成旅は善戦し、張作霖から高く評価されました。その後、彼は洮遼鎮守使として、地域の産業振興や軍隊の訓練に力を注ぎました。1924年に東北陸軍第3師の師長に昇進し、熱河都統も兼任することになりますが、この地位では私利を図る活動が目立ちはじめました。

不運な転機

1925年11月に発生した郭松齢の兵変では、闞は何もしなかったために結果的に罷免され、次第に政治的立場が弱まっていきました。この後、しばらくしてから安国軍大元帥府での地位に就きましたが、1940年までに様々な政治的迫害に見舞われます。特に1927年には奉天派が敗北し、張作霖が暗殺されたことで彼の運命はさらに厳しくなりました。

満州国での活動

1931年の満州国建国後、闞は関東軍司令官から奉天地方維持委員会の委員に任命されますが、次第に不満が募り、日本軍によって拘束されてしまいました。その後、名前を闞潮洗に改名し、政治活動からの引退を誓わされて釈放されます。

満州国の中央銀行で重要な役職に就き、経済政策に関与しました。彼は1940年には総裁に昇進し、その立場を確立しましたが、1943年には任期満了によりその地位を退きます。これに続く歴史の波乱に乗じて、満州国が崩壊する運命を迎えました。

最後の時

国民政府の手によって逮捕され、1951年には新しく成立した中華人民共和国で反革命の罪に問われて処刑されました。享年68歳という短い生涯の中で、闞朝璽は時代の影響を受けつつも、その経歴から多くの教訓を後世に遺しています。彼の事蹟は、清末から民国へと変遷する中国の歴史の一端を示しています。

もう一度検索