阪急バス能勢営業所

阪急バス能勢営業所の概要

阪急バス能勢営業所（はんきゅうバスのせえいぎょうしょ）は、大阪府豊能郡能勢町にかつて存在した阪急バスの営業所です。1967年に設立され、最寄の停留所は「大里住宅前」で、地域の公共交通を支えていました。営業所の設立時から過疎地域を対象として運行を行い、初期から経営は厳しく、赤字が続く状況が続きました。

設立と運行の歴史

営業所は1967年3月16日に開設され、当時は森上・田尻の両車庫が閉鎖される形でスタートしました。2002年度末には22系統の運行を行い、15両の車両を所有していました。主に、能勢町内から山下駅、日生中央駅、妙見口駅への路線を担当しており、地域住民の交通手段として重要な役割を果たしていました。

しかし、赤字が続き、1972年には日本で初めて電話呼び出しによるデマンドバスシステムを導入した『能勢デマンドバス』が運行されました。この取り組みは一時的に赤字を減少させる結果となりましたが、最終的には業績改善には至らず、1997年にデマンド運行が廃止され、一般路線に再編されました。この際、運行業務は子会社の阪急田園バスに引き継がれました。

時代の変遷と廃止

その後も地域の福祉バスや学校へのスクールバスなどの運行がありましたが、実際には運行業務には関与しておらず、駐車用地の貸出にとどまっていました。長年にわたる経営不振が続いたため、2012年12月9日には全ての路線が他の営業所に移管され、営業所は閉鎖される運命を迎えました。

路線の移管

能勢営業所が閉鎖された翌日、2012年12月10日より、西能勢線と杉生線は猪名川営業所に、豊能西線と妙見口能勢線は豊能営業所にそれぞれ移管されることになりました。このように、能勢町内の公共交通の流れは他の営業所に引き継がれ、地域住民の足としての機能が保たれました。

主要な運行路線

営業所が存在していた時期には、いくつかの主要な路線が存在しました。これには、以下のような系統があります。

• - 西能勢線

- 73系統：山下駅前 - 一庫ダム - 森上 - 能勢町宿野 - 上山辺 - 能勢の郷
- 76系統：日生中央 - 上阿古谷 - 森上

• - 杉生線

- 61系統：日生中央 - 紫合 - 北田原 - 杉生 - 柏原
- 41系統：日生中央 - 紫合 - 北田原 - 杉生 - 杉生新田

• - 豊能西線

- 2系統：箕面森町地区センター→支所前→東ときわ台（循環）

• - 妙見口能勢線

- 2003年6月末に廃止された元の京都交通路線を引き継ぎ、数多くの停留所を持つ路線として運行されていました。

終わりに

阪急バス能勢営業所は、設立から閉鎖まで地域の交通を支え続けましたが、経済的な事情から不採算が続き、最終的に運行業務を他の営業所に移管する形で幕を閉じました。閉鎖後も地域の公共交通は他の運行事業者により維持されていますが、阪急バスの能勢営業所はその歴史の中で重要な役割を果たしていたことを忘れてはなりません。

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