阪急151形電車

阪急151形電車の歴史と特徴

阪急151形電車は、阪急電鉄設立前の阪神急行電鉄時代に製造された木造の電車です。1926年、大阪市内の高架化や複々線の導入により、地上区間の北野線に対応するために、この電車が投入されました。151形は、大阪市電の11形の車両の中から4両を譲り受けて改造され、北野線での運用に適した形にされました。

車両の構造と技術

151形の車体はオープンデッキのデザインを取り入れた路面電車スタイルで、主に手動ブレーキを使用しています。台車にはブリル21-Eを採用し、安定した走行性能を実現しました。また、集電装置には独特な形状の「ボウコレクター」が使用されており、これはトロリーポールを加工したもので、ビュゲルとは異なる特徴を有します。

北野線では他の車両と共に運行されていましたが、1933年に34形電車と入れ替わる形で予備車となりました。そして、その後しばらく運用から外れた151形は、1939年3月に長崎電気軌道に譲渡されることとなります。

長崎電気軌道での運命

長崎電気軌道に譲渡された151形は、同時期に大阪市電の11形を譲渡された120形と連携し、追番の130形として運用されることになりました。その中の4両のうち、132号は1945年の原爆投下によって焼失しました。残った3両の内、131号と133号は1951年に丸屋根と木造の新しい車体に載せ替えられ、134号は1953年に西鉄福岡市内線の中古木造車体に再利用されました。

134号は1959年に廃車され、その後アメリカの保存団体に譲渡されました。一方、残りの131号と133号も1968年までに廃車となりました。

151形の意義と遺産

阪急151形電車は、そのデザインや技術力から当時の電車の特徴を反映した重要な車両でした。特に、路面電車の形状や手動ブレーキといった要素は、当時の日本の電車の進化において興味深い部分です。また、長崎電気軌道への譲渡後も、その歴史は続き、他の系列と共に地域の交通機関として役立ちました。

その後の運命は廃車という形に終わったものの、阪急151形電車が刻んだ歴史は今もなお多くの人々に語り継がれています。

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