阪神電気鉄道石屋川車庫

阪神電気鉄道石屋川車庫（はんしんでんきてつどういしやがわしゃこ）は、兵庫県神戸市東灘区に位置する同社の車両基地です。石屋川駅と新在家駅のほぼ中間にあり、阪神本線の南側に設置された高架構造が特徴です。なお、地元では「石屋川車庫」という名称が神戸市バスの同名施設を指す場合もありますが、市バスの車庫は阪神の施設より約700メートル北側に所在しています。

概要

この石屋川車庫は、日本国内において初めて鉄筋コンクリート造による高架式で建設された車両基地として知られています。しかし、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災により施設は甚大な被害を受け崩壊しました。現在運用されている車庫は、翌1996年に復旧・再建されたものです。

かつて、この場所の南側には阪神本線の線路が通り、車庫の東側、当時の本線の北側には「新在家車庫」という別の車両基地が存在しました。阪神本線の石屋川駅から西灘駅にかけての区間で行われた、線路の直線化改良と高架化工事に合わせて、新在家車庫は廃止され、代わりに現在の石屋川車庫が新たに設置されました。

車庫の主な使用者としては阪神電気鉄道の車両ですが、ダイヤが乱れた際や訓練のために、近畿日本鉄道や山陽電気鉄道といった相互乗り入れを行っている他社の車両が入庫することもあります。また、石屋川駅の東側には御影電留線があり、一部の車両はこちらに留置されることもあります。この御影電留線も、阪神・淡路大震災で被災し、再建されています。

車庫の高架下空間は、過去に様々な形で利用されてきました。震災前は住友ゴム工業の倉庫として使われていましたが、震災で被災した後の復旧期には、ホームセンターのコーナンが出店しました。しかし、コーナンは後に撤退し、しばらくは空きスペースとなっていました。その後、家電量販店のコジマが営業を開始しましたが、こちらも撤退。再びしばらくの間は、以前出店していたコーナンの倉庫として利用されていました。2013年9月からは、食品スーパーの阪急オアシスとドラッグストアのスギ薬局が出店し、現在に至っています。

歴史

石屋川車庫は、1967年（昭和42年）に開設され、翌1968年（昭和43年）4月18日に完成しました。順調に運用されていましたが、1995年（平成7年）1月17日の阪神・淡路大震災で未曽有の被害に見舞われます。高架を支える柱が折損し、線路や留置されていた車両が地面に落下するという壊滅的な状況となりました。この震災により、車庫にいた車両は58両が被災し、そのうち24両が廃車となるなど、車両面でも大きな損害を受けました。

震災からの復旧作業が進められ、1996年（平成8年）3月20日には車庫の再建が完了しました。この再建にあたり、施設の能力も強化され、最大収容両数が震災前の76両から84両へと拡大されました。

入出庫線

車両の出し入れに使用される線路は、大阪梅田方に設けられており、単線構造となっています。

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